http://www.asahi.com/edu/news/OSK200602100022.html
大阪、京都、兵庫の3府県で10日、私立高校入試が始まった。少子化で受験生はピーク時の約半数。有名大学進学を売りにする学校に人気が集まる一方、保育士、美容師など就職に直結する専門学校のような「個性」を打ち出す学校も注目を集め、二極化の傾向だ。
大阪市天王寺区の清風高では、朝9時から約1200人が受験。京大、阪大などに進学実績がある理数科は今年も競争率6倍を超えた。
今春の大阪の公立中学卒業予定者は約7万1000人。第2次ベビーブーム世代が中学を卒業した87年度の約14万7000人と比べて5割を切った。京都府でも約半数、兵庫県でも4割以上減った。
少ない生徒の奪い合いで人気は二分している。以前から競争率が高い灘高(神戸市)などに加え、難関大への合格を目標に掲げる滝川高(同)や関西福祉科学大高(大阪府柏原市)など、10倍を超えるコースもある。
一方、資格取得に役立ち、専門的な授業をアピールする学校も人気だ。
堺女子高(大阪府堺市)は普通科をコース別募集にして以降、6年連続で志願者が増えた。系列短大に進んで美容師をめざす「美容進学」は競争率4.16倍。ヘルパー資格などを取り、介護メークも学ぶ「メイクアート」が3.35倍だ。夙川学院高(兵庫県西宮市)の「児童教育進学」も3倍を超えた。
大阪府内に展開する進学塾「馬渕教室」で高校受験を指導する森田勉・進路指導部長(45)は「最近は行ける学校ではなく、将来自分の夢をかなえられる学校を受験する生徒が多い」と話す。
兵庫県のある高校は昨年度から、普通科で私大受験の3教科に重点を絞った授業に変えたが、定員割れを打開できなかった。校長は「普通科は3年後にしか成果は見えない。てこ入れが遅かったかもしれない」。
近畿私立中学高等学校連合会は「女子高や二極化に遅れた学校は苦戦気味」と分析している。