君が代反対元教諭に罰金『式典を停滞させた』

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060530/eve_____sya_____000.shtml

東京都立板橋高校の卒業式で、君が代斉唱に反対し保護者に着席を呼びかけ式典を混乱させたとして、威力業務妨害罪に問われた元教諭藤田勝久被告(65)に対する判決公判が三十日、東京地裁であった。村瀬均裁判長は「被告の行為は厳粛であるべき式典に悪影響を与える恐れがあり、実際に式の遂行業務が一時停滞した」として罰金二十万円(求刑懲役八月)を言い渡した。弁護側は即日控訴した。 
 村瀬裁判長は「被告の呼びかけは校長らの立場からは許容できない内容で、大声で抗議する被告への対応を六分余りにわたり余儀なくされた。卒業生の体育館への移動も予定通り行えず、開式が二分遅れた」と指摘し、「被告は自らの行為が卒業式の業務遂行を妨害する恐れがあることを認識していた」とした。
 一方で「被告は式の妨害を直接の目的とはしておらず、開式の遅れも問題視するほどでない」として懲役刑は回避した。
 弁護側は「被告の発言は式が始まる前で威力業務妨害に当たらない。起訴は言論弾圧で、公訴権の乱用」と主張していた。
 判決によると、藤田被告は二〇〇四年三月十一日、来賓として招かれた同校卒業式の開始約二十分前に、保護者席に向かって「今日は異常な卒業式で、国歌斉唱の時、教職員が立って歌わないと処分されます。国歌斉唱の時は着席をお願いします」と呼びかけた。退場を求める校長の指示にも従わず、「何で追い出すんだよ」などと怒号をあげ、式の開始を約二分間遅らせた。
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 東京都の中村正彦教育長は「(元教諭の行為の)違法性が認められたことについては一定の評価をしている。今後とも、学校における教育活動が適正に行われるよう、都教委として取り組んでいく」とするコメントを発表した。