『男はつらいよ 寅次郎かもめ歌』

男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 [DVD]

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劇中では寅さんが40歳ということになっている。
伊藤蘭がきっちりと女優になっていて、すごくいい。寅さんのテキヤ仲間が亡くなったんで奥尻島まで線香をあげに行ったら娘がいた、という設定。なので、このたびの寅さんは「父親代わり」という役回り。
劇中で、伊藤蘭が東京に出てきてパートづとめをする「スーパー」がセブンイレブンで、店内に流れるのが長渕剛の「順子」。1980年の年末公開のこの映画が、この曲で、中学時代の自分の記憶につながる。
『学校』は見たことないし見たいとも思わないし見て良かったという人がいたらふん、と思うに違いないのだけれど、ここで出てくる定時制高校のシーンは、やはりよくて、ていうか、恵まれてなかった少女時代を過ごして高校を中退した伊藤蘭が、大人になって、荒涼とした奥尻島でスルメ工場の電話番をやりながら、やはり高校だけは出なくては、高校に通いたいと願って、でも願書を取りに行ったら編入試験があると聞いておちこんだり、自分なんかやっぱり高校になんか入れないんだとか涙ぐんだり、それでもぶじ高校に入れて頬を輝かせて喜んだり、なんかそういうようなことがいろいろあったうえでなので、やはりいいんである。