- 作者: 竹内敏晴
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/01/01
- メディア: 新書
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自伝的なものと独特のことば論と声のレッスンの話とをまとめた、竹内敏晴の一冊目にちょうどいい本、でもあると思ったのだけれど、でも、意外と、自伝的な部分での旧制の中学の話とか60年代の新劇の話とか、いまの学生さんは素でピンと来ない恐れがある気がする。デカンショ節、などというものを、自分はなぜかまだ耳にしたことがあるのだけれど、いまの学生さんたちは、デカンショ節というものが文章の中に出てきたとしてそれがどんな歌だったかが響かないだろうし、デカルト・カント・ショーペンハウエルなどといわれてもなおいっそうハァ?という顔をするだろうし、また、新劇、という呼び方そのものがなくなっているかもしれない。ちなみに私は学生時代に雑誌『新劇』ちうのを何冊か持っていて、学生時代に古本屋でバックナンバーを買ったのである。唐十郎とか生田萬とかのシナリオめあてに。なので、これもなぜかかすかにピンと来るものはなくはないつもりである。でも今の学生さんはねえ。
なので、やはりいっそたとえば声のレッスンの話を中心にそれだけで一冊、というほうが、入りやすいかなあ、という気もするんである。