読んだ本。『遊戯療法の世界』

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82年に出た本で、さらに前のケースなのだけれど、ひとりの吃音&学校不適応の女の子のケースが最初から最後まで紹介してあって、その前とあとに簡単な説明がある、という本。
こういうケースをじっくりと読むのはおもしろい。というのと、小学校一年生の女の子のプレイセラピーの記録、というのは読みにくい。セラピストは、東山先生のところに内地留学していた小学校の先生で、東山先生はスーパーヴァイザーとしてかかわっている。結局、毎回のセッションの記録の後に付されるスーパーヴァイザーのコメントを手がかりに読んでいくことになる。プレイセラピーの記録そのもののほうは、ほんとうに小学校一年生と遊ばされてるような気になってきて、ふつうでは付き合いきれないエネルギーを要求されるっていうか読むのしんどい。なので、その中から適切に治療的な流れを読み取ってセラピーを進めていくというのは、なるほど、おもしろいものである。
また、この本はだから、スーパーヴァイザーというものの係り方についての本でもあるわけで、そこも面白い。