『女であること』は川端康成ふうの娘を久我美子と香川京子が。

http://www.jmdb.ne.jp/1958/ch000280.htm
原節子の映画だけれど、原節子はどっちかっていうと損な役。原作が川端康成なわけで、川端康成っていうとなんか若い娘に関心のあるおかしな性癖の人、という印象があるのだけれど、そういうわけで、子どものいないエリート弁護士夫婦の森雅之原節子が、あれやこれやの理由でもって、自分の家に住まわせて面倒を見ることになったふたりの若い娘、ひとりは香川京子で、もうひとりは久我美子、これが両方ともいい。
久我美子は、なんか、容貌が美しくて性格がめちゃくちゃで、だらしなくて、残酷で、わがままで周囲をひっぱりまわす、で、じぶんでも自分が何がしたいのかわからなくてもてあましている、というような若い娘をそのまんま演じていて、腹が立ちつつ魅力的。
で、香川京子のほうは、父親が殺人犯で、暗くて地味な娘で、ところが、ひそかに学生と付き合っていて、それが昂じて森雅之原節子の家を飛び出して学生と同棲し始め、ところが学生も殺人犯の娘ってことで親に反対されたりしてちょっとひけぎみになったりして、そうするとみるみる香川京子のほうがウザい女になっていく。そのへんもいかにも若い娘のかんじがでている。