- 作者: 重田園江
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/09/05
- メディア: 新書
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で、フーコーの主著『監獄の誕生』をていねいに読むことでフーコーを紹介するというこの本は、たしかにあのフーコーのあの本をていねいに読むわけだから、新書本っていうには重い記述があったりもするわけで、読むのに時間がかかったわけでもあるのだけれど、文章と著者の人についての印象は、こういう言い方も政治的にどうかと思うけれど、ところどころ女子的なと言ってしまいたいような冴えがあると思った。ていうか、金井美恵子的なニュアンスでいうところのオヤジが書いたフーコー論とかアンチャンが書いたフーコー論とか、そういうのとは違うかんじがした。しょうもないところでいうと、「主権」という概念を説明しているときに不意に顔を出すベルルスコーニ首相とか、カール・シュミットを評した註の文章とか。それでもって、「ベルルスコーニって!そうだよアハハ!」みたいに言うような人がふだんじつは感じているかもしれない不快とか自由とか希望かもしれないものへの感覚でもってフーコーと共振しているようなところがあって、それはオヤジやアンチャンが書いたようなフーコー論に期待できないノリかもしれないんである。と思った。