『カリスマ』みた。これはわからないタイプのやつ。

カリスマ [DVD]

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これは、寓話です、とでも言っておかないと座りが悪い、ジャンルにおさまらないかんじのおはなし。
森の中にカリスマという名前の木が一本はえていて、それをめぐって、切り倒したいとか、守りたいとか、売り飛ばしたいとか、いろんな思惑の人たちやグループたちが争うみたいな?というとアルドリッチみたいになるかと思いきや、まぁ、木だし。金塊とかウラニウムとかなら、血わき肉おどる争奪戦の大活劇になるだろうけどねえ、木だから。カリスマって木じたいもけっきょく何だかよくわからないものだし、登場してくる人たちやグループたちも謎めいてて思惑がよくわかんない。どうやらカリスマは森に毒を撒き散らしほかの木々を枯らすらしい、ていうか森を狂わせて滅ぼしてしまうらしい。でも、見てると人間も狂わせていく、みたいに見えるし、でも登場人物たちはもとから狂ってるようにも見える。これだけ片っ端から謎めいてると、ストーリーがぐいぐい展開していく手がかりがなくて、森の中でお話がひたすらどんより停滞するように見える。そこに、奇妙にコミカルだったりするようなのどかな情景がはさまれて、それからいきなり唐突な暴力やじわじわくる暴力。