『贖罪』見た。

黒沢清WOWOWのドラマで、5話で5時間というもの。原作が湊なんとかというやつらしい。最終話は正直、要らない。なぜかというと、謎解きの説明を延々やるための(たぶん原作のための)話なので。しかもけっきょく納得感がないのは、けっきょく最初の殺人事件のトラウマみたいなのが最終的には関係なくなってるように見えるから。で、ものすごく正直言うと、第4話もちょっとどうかな、と思うのは、第4話の池脇千鶴はべつにトラウマ関係なく生きているのがあからさまなので、「贖罪」のお話を見てる気にならないので。でまぁそういうことを言い始めると第3話の安藤サクラも第2話の小池栄子も、そりゃ歪んではいるけれど、それは最初の殺人事件のトラウマのせいというより、もともとの家庭環境のせいでしたって話で、第3話でそのことがあからさまにされているので。なのでまがりなりにも「贖罪」のお話っぽいのはじつは第1話だけだったりするわけで、それが回を追うごとにつじつま合わなくなって「これ別に「贖罪」関係なくない?」というのがあからさまになっていくという。でまぁそれはそれとして、黒沢清っぽい画とか怖さとか暴力とかはところどころ出てくるのでそれはいい。蒼井優の人形芝居とか、このまえ『黒沢清の恐怖の映画史』を読み返していたのでグランギニョール物っていうか、死美人系の怪奇趣味みたいなかんじで面白かった、とか。