自分むけにCOVID-19関連について現時点でどう考えることにするかをまとめておく。(その19:1/4-)

年があけて。

さて、三が日が明けたけれどまだ本格稼働ではないかな? ともあれ、大みそかに↓このように書いてたが…

みそかの夜の時点の数字を。「10万対発生数」が、東京2.7、大阪3.5、兵庫1.4、京都4.7、奈良1.3。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,12/30時点)、全国1.4、東京1.43、大阪1.62、兵庫1.52、京都2、奈良2.93。
よいおとしをということになるね。

本日、1/4の夕方時点で、「10万対発生数」が、東京4.6、大阪5.9、兵庫1.9、京都6.2、奈良4.1。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,1/2時点)、全国1.48、東京1.57、大阪1.81、兵庫1.13、京都1.73、奈良3.25。
数字の出し方について、こちら↓のtweetでは、「新規感染者数(人口10万対)」という出し方をしておられる。それもあるな。


そして、現時点のこの数字についてどう理解するか、ということでいうと、こちらのTweet
ぐらいの湯加減かな。
上記スレッドEARL先生に曰く、「いずれはオミクロン株が主流になると思われますが、現状はまだデルタ株が主流ですので、(特に未接種者では)重症化リスクが下がってる状態ではありません。」
ただし、沖縄に関しては、
この状態で、これがオミクロン株の勢いであるとするとちょっときびしいかんじはある。

1/6.
さて、きのうの1/5に、沖縄だけでなくて東京も関西もいっきに新規感染者数が増えたかんじ。
このTweetはさっきの時点だけれど数字は昨日のものであることに注意しつつ、それでもけっこうなインパクト。
ちなみにいまは1/6の夜で、全国の数字がだいたい出そろってて、covid-2019.live のグラフで見ると4473人と書いてある。
東京は「1/5までの1週間の新規感染者の6割がオミクロン株」だそうだ(「東京都内の新規感染者、6割がオミクロン型に 都が推計」日本経済新聞2022年1月6日 17:26)。他も推して知るべしとすれば、少なくともここ数日とこれからはいよいよオミクロン株主流と考えるべしかなあ。ちなみに、「1/5までの1週間の新規感染者の6割がオミクロン株」だとしても、この指数関数的急増にあっては「1/5までの1週間の新規感染者の半分が1/5」みたいな感じかなあと思う。
そもそも、「年末年始で人が動いたりわちゃわちゃする」「年末年始は検査が十分に稼働しなくて正月明けにその分も合わせて数字が出るので、正月休みからこの時期にかけての数字の変化は大きめに出る」はもともとあるていどあったわけだけれど、さて、オミクロン株がそのあたりの影響をすべて上回るぐらいの勢いなのかどうかってのはある。仮にオミクロン株抜きで考えたとすると、去年の感じでも、正月明けに感染者急増を見て人々がビビッて再び行動自粛を始めて(去年は緊急事態宣言もあったし)1週間ぐらいたった1月半ばあたりから、徐々に減少に転じる、としたもんかなあと思っていたわけだけれど、そこにこのタイミングでのオミクロン株である。諸外国の数字と同じような垂直上昇を見せてるので、まぁやはり日本だけが免れるということはふつうないんだよなあと観念しつつではある。
しかしまぁ、まだ仮説としてはこんごのみとおしは二通りあるだろう。
でまぁその前提だけれど、日本の人たちの不織布マスク率や自粛具合というのは、デルタ株にはある程度勝ってきたわけで、しかしすくなくとも第6波の一番最初の感染者増はデルタ株だった(さっきのニュースをひっくり返すと「1/5までの1週間の新規感染者の4割はデルタ株」なわけで)、つまり、いま見ている数字はさしあたり年末年始で行動が緩んだ状態のものであるわけである。いま見ている新規感染者の何割かは、デルタだろうがオミクロンだろうがそんなことしてたら感染しまっせというケースのはずで、そのぶんのさらに何割かぐらいは、デルタ株をほぼ制圧していた自粛生活に戻れば、抑え込むことができる、と考える。
そこにワクチンのもんだいが加わってくるね。デルタ株制圧の大きな力になったワクチン2回接種は、時間を追って抗体価が落ちるしオミクロン株にはあまり効果がないとしたんだった。ただし春~夏にワクチン打ってた人の感染阻止力が晩秋のデルタ制圧期にどの程度残ってたかはわかんないってのもあって(それよりまず、そもそもワクチンは感染阻止の効果はないor小さいけれど、という触れ込みだったし)、やはり基本的には生活様式の力が大きかったんじゃないかなあという勝手な理解はあると思う。
さてそこで、二通りの見通しのうちの一つは、日本の人たちの自粛力はデルタ株だけでなくオミクロン株にも対抗できるぐらいであって、オミクロン株になっても、感染様式そのものは変わらない、つまりおおむね飛沫~エアロゾル感染の範囲内である以上、不織布マスクをして換気をよくする、手洗いを励行、会食はしない、等々、これまでやってきた対策を徹底することによっておおむねコントロールできる、という。いかにオミクロンだろうがなんだろうがしかるべき距離を取っていれば感染しないと。だとすれば当初の予想通り、1月半ば過ぎには昨日あたりからビビりはじめた私たちの行動自粛が結果として現れて感染者の山を越える、で、そこにワクチン3回目接種が追い付いてきて、意外にはやく第6波収束にいたる、みたいな見通し。
まぁもう一つの見通しも一応言っておくと、オミクロン株に圧倒される。ちゃんちゃん。
まぁ、最大限の用心をしつつ様子をみるべしであるね。
ちなみに本日、1/6の夜時点で、「10万対発生数」が、東京10.9、大阪13.1、兵庫4.2、京都12.3、奈良12.5。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,1/5時点)、全国2.33、東京2.2、大阪2.2、兵庫1.58、京都1.66、奈良7.01。まぁ、奈良の数字なんか見ると、こういう急激な変化のときには実効再生産数は使いにくいですな。
上↑でも参照したEARL先生のツイートだとこんなかんじ。「新規感染者数(人口10万対)」のほうが直観的にわかりやすいかな。

1/7.
きのうの記事から簡単な計算のメモ。
「「驚異的な感染拡大力」大阪で505人感染 吉村知事が警戒感 オミクロン株陽性者の4割がワクチン未接種」1/6(木) 18:49配信
というところから。
仮に国の平均とおなじくワクチン接種率が8割・未接種率が2割で、かつ、オミクロン株にワクチンの効果がゼロなら、陽性者のワクチン比率は全体の平均と同じになる、とざっくり考えるとする。すると、実際にはオミクロン株陽性者でみると接種6割・未接種4割ということなので、その差分の、ちょっとだけワクチンの感染防止効果があるようにも見える。
でも、じっさいには、たぶん今のコロナ感染者の世代的な偏りが若者に寄ってる(若いほうが接種率が低い?)んじゃないかというのと、たぶんいまコロナに感染するような行動様式の人はワクチンを打たない人と重なってるんじゃないかというのを考えると、陽性者の中の未接種者の割合はどっちかというと高めに出てもおかしくないだろう、と考える。
そうすると、「オミクロン株陽性者の4割がワクチン未接種」という記事から読み取るべきは、ワクチンの感染予防効果はあんまりないのかなあという、まぁワクチンというのはそもそも最初からそのつもりだったとはいえ、まぁちょっと、うーむ、というところ。まぁでも、ワクチンの本領だった発症予防、重症化予防、という効果については、感染予防効果よりはあるよという触れ込みだったので、もし数字的に感染予防効果が少しでもみられるんだったら、それよりはもう少しだけ、発症予防、重症化予防、という効果は期待できないかなあ(3回目のブースター接種によって効果が出るなら2回でもちょっとぐらいは効果があっても理屈としておかしくないのではという素人考え)、と思う次第。

検査陽性率について。まぁ上昇傾向ってことをふまえつつ、東京3.4%(1/5)、大阪5.3%(1/6)、京都5.0%(1/5)、など。だいたいちょうど、今のところはまだ捕捉できてるよ、けれどここから先しんどくなるかもね、なのかな。

忽那先生のインタビュー記事。(2本目は1/8配信)
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沖縄がいまどうなのか、見えているものは何か、についての高山先生のインタビュー記事。
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あと、
こちらのTweet。「丼先生がこの第6波で大変嘆いておられるので共有します。」
おおむね、自分が理解していたようなかんじかなあと。
いまの急増はたしかにオミクロン株のスピード感だが、じっさいに感染している人の行動はあんがいデルタだろうがオミクロンだろうが関係ないぐらい緩んでる人のかんじ。沖縄の急増もそういう見方はできる。オミクロンになったからといって防御不能な空気感染でどんどん増えているという感触ではなさそう。というわけでここ数日の急増は、少し前までの緩みのまま年末年始にわちゃわちゃした結果を見ている。緩みの原因の一つとして、「オミクロンは軽症とテレビで言ってる」がありそう(なるほど)。ワクチンはオミクロンでは感染抑止にはなりにくいが重症化抑止の効果はまだあるとみてよい。等々。

学校帰りの電車で、近くに咳をしてる人がいたので気分よくなくて次の駅で車両を変わったら、すこし間をおいて隣に座ってた人がまた咳をしてて気分よくなくてさらに次の駅で車両を変わったら、またしてもすこし間をおいて隣に座ってた人がまた咳をしてて、次の駅でちょうど降りたのだけれど目の前を歩いてた人がまた咳をしてて、もうほんとやだった。

1/9.
小野先生のTweet。スレッドで。ようするに日本の感染者・死亡者がたとえばイギリスと比べて少ないのはロックダウンの判断のタイミングが早いためというシンプルな理由だと。
感染者数当たりの死亡者とかは、どこの国でもほぼかわらない。ただ「英国は日本が緊宣した時点よりおよそ10倍感染者が増えてから封鎖開始した」と。感染爆発が起こって収拾がつかなくなってからロックダウンするより、コントロールできるうちに自粛要請したから感染者・死亡者は少なくてすんだよと。
まぁそれはそうで、だから、日本で意識されている比較対象はイギリスというよりは、「コロナ対策vs経済」という(粗雑な)対立軸だろう。だからたとえば、イギリスはコロナ対策より経済を優先したから(かどうかは簡単に言えないけど)現在の経済状況は日本よりも良いよ、とか、日本はそれによって結果的に自殺者が増加した(かどうかも簡単に言えないけど)のだよ(このストーリーは当初から京大レジリエンスの方たちが主張してた)、とか、いやそうはならなかったとか、そういうことを検証する必要はあるだろうなあ。

k先生のTweet。いまの感染増は、オミクロンだけではなくデルタも増えてるんですよというデータ。
オミクロン株が登場する前から、年末年始の第6波は予想されてたし、まぁ現在のデータからオミクロンのぶんをさしひくと当初の第6波のイメージになるかも。

自分の中でオミクロン株のイメージをさぐってるところ。当初、えたいのしれない強い感染性、みたいなイメージがあったのは、デルタの出現時もそうだったのだけれど、徐々に、そういう怪物的なイメージはおさまってきそう。ニュースなんかで見かけるのもようするに飲食店とかでわちゃわちゃしてクラスター、という従来のパターンを相変わらず目にするし、まぁそんなんしたらデルタだろうがオミクロンだろうが感染してもおかしくないわけである。ただし、だんだん打率がさらに上がってきた感じ。よりいっそう甘い球を見逃してくれなくなってきた、的な。ヒットゾーンも多少広くなったが、まぁきちんと緊張感をもって投球したらだいたいは打ち取れるけど、失投は見逃してくれないから、気を抜いて投げると打たれるし、注意してても一試合に何球かは失投は出てくるのでこわくはある的な。で、どうやら長打力はなさそうな見かけをしてて、打たれても単打だろうみたいになめてかかってるとやはりミートが上手いので長打もけっこうあるとか。あと、機動力野球ぶりがすごいので、塁に出られたらあっというまにひっかきまわされて混乱してしまう的なかんじ。で、こっちはというとデルタ株をしばらく抑え込めててすっかり油断して、「コロナは終わった」とか「オミクロンは軽症」とか油断しまくってるので、いっきに攻め込まれていま青くなってる、的な感じか。

新規感染者数のグラフのおさらい。新規感染者のグラフは、おおよそ1週間周期で小さな波を描く。それはおそらく保健所であるとかの検査の処理が週末には少なく週半ばに増えるため。おおよそ月曜が一番少なくて、おおよそ金・土曜をピークにするみたいなリズム。本日は日曜、明日が月曜なので少し小休止的になるかもしれないし、3連休で月曜も祝日休みなのでこのばあいは火曜ぐらいまで小休止的になるのかもしれない。いまは全国実効再生産数が5を超えるというエクストリームな時期で、前日よりも増えるのがあたりまえみたいな時期だけれど、今日は昨日よりびみょうに減ってさえいる。あした月曜の新規感染者数もそんなに増えないかもしれないけれどそれは見かけ上ということになるし、連休明け火曜までその見かけは続くかもしれないけれど、それは見かけ上のリズムのもんだいで、本番は来週半ばから後半ということになる。
1月の半ば、去年は、微妙にピークアウトしてたのは、何度か書いた通り、年明けに一挙に自粛モードになったのを反映してのことだったわけで、そのいみで今年の14(金)、15(土)あたりがどうなるかというのがきになるところ。おそらくオミクロン効果によって、そう簡単に制御はできなそう。でも、自粛モードによって勢いが少し減るんじゃないかという期待はまだ持っている。あるいは、そうしてあるていどきつい感染対策をしたうえでさらに感染が広がるケースを検討することで、オミクロン株の実力のほどが見えてくるはずなわけで、それをてがかりに感染対策のバージョンアップをはかる必要がある。そのあたりがいろいろ見えてくるのが来週、ということになると思う。
ちなみに、このまえ1/6晩にデータを見てからほんの数日であっというまのエクストリーム具合で、本日1/9夜現在の「10万対発生数」もメモっておきましょうか。東京33.4、大阪38.5、兵庫14.5、京都31.3、奈良27.2。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,1/8時点)、全国5.05、東京4.55、大阪4.14、兵庫4.18、京都3.08、奈良7.53。

1/15.
とりあえず先日見たTweetだけはりつけておく。理解のしかたはむつかしそう。感染研とか公式のアナウンスでは、潜伏期間が短い、3日ぐらいだ、とは言っているが、「曝露後1日で陽性化する人も多いのでは?」「感染力を持つのは感染後1-2日ということになるかも」とまで踏み込んでは言ってない。まぁ参考まで。
ちなみに感染研のアナウンスはたとえば、
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第6報)
SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)の潜伏期間の推定:暫定報告
など。

1/16.
これはスレッドで。
なんかすごく参考になるなあ。

ところで、ここ数日の答え合わせ。おさらいすると、このまえ書いてたのでいくと、3連休あけで月曜+火曜ぐらいまでが少なくて水曜からドンとくるだろう、で、金・土ぐらいが高くて日・月が下がるだろう、でまた火曜にドン、みたいなペースかと。で、まぁだいたいそんなかんじだけれど、本日、日曜だけどさほど下がらない。たぶん明日も抑えめで、明後日にドン、ということかなと。
前回書いてから一週間たって本日1/16夜現在の「10万対発生数」をメモ。東京143、大阪176.3、兵庫94.4、京都134.6、奈良71.7。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,1/15時点)、全国2.81、東京3.08、大阪3.12、兵庫3.93、京都3.01、奈良2.04。ところで、全国も各県も、先週上昇していた実効再生産数が下がってる。これはしかし、計算のやりかたによる見かけ上のものじゃないっけという気がするが…

1/17.
忽那医師の記事。オミクロン株の症状の特徴について。上↑の丼先生報告のTweetとあわせて。
news.yahoo.co.jp

上↑らへんのTweet、リンクからマークすること。
オミクロン株だと無症状が少なそう?咽痛、発熱、ウイルス量はデルタほど顕著に多い印象はなさそう?、感染のサイクルが短い、感染力の強さはウイルス量の多さではなさそうである、等々。
実効再生産数は現状つかいにくいってのがあるみたい。自分的な理解では感染サイクル(世代)が変わったことが関係するかなと思うのだけれどよくわからんがともあれ実効再生産数の数字だけ見ててもバグって見えるときが確かにあるよね。