『私のインタヴュー』。デコちゃんインタビュアーになって話を聞く。

私のインタヴュー

私のインタヴュー

某日、散歩がてらの近所のブックオフで見かけて購入。書き手としての高峰秀子、さすがに流行りすぎでちょっとタイミングをずらしたい気分はあって、ブックオフで見かけたら買うぐらい。元本は1958年、その前に一年間雑誌の連載だったというので1956年の暮れか1957年の初めからの連載スタートだったようだ。もう戦後ではないだとかなんとか言っていたころで、復刻版帯の惹句にいわく「既に日本映画界の頂点にいた32歳の高峰秀子が、市井に生きる12組の女性たちに、自ら望んでインタヴューした貴重な座談集」とある。その市井に生きる女性たちというのが「アメリカから帰った原爆乙女」「芸者さん」「「親さがし運動」で再会した親子」「産児調節運動者」「女中さん」「灯台を守る人たち」「サーカスの女性たち」「ニコヨンさん」等々、まったく戦後の風景なんである。そのへんの人選とか、いかにも高峰秀子だなあと。「女優さんの対談本」っていうより、ちゃんと「ふつうの人々」のインタビューの本、になっていて、読んでて勉強になったりもするし、しかもそういうインタビューの聞き手としての高峰秀子という人が浮かび上がる本でもある。