- 作者: 馬場正尊,Open A
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2013/09/15
- メディア: 単行本
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この本で僕は、一貫して公共空間の改革開放路線を提案している。空間は管理する側の論理ではなく、使う側の論理で作られなければならないと思っているからだ。そのためには、空間の主体を管理者から使用者へと移行しなければならない。
こういう言い方は、なんとなくよさげに見えるけれども本当か?というひっかかりは、やはりあってしかるべきかもしれなくて、というのも、この本の中で「僕たち」「使用者」「みんな」といった主語の中には、公園のベンチで寝ているホームレスは入っていない。ホームレスがいるような場所で子どもを安心して遊ばせられるでしょうか?無理です!という感覚の人たちが「みんな」のなかみである。まぁ、きもちはまったくわからんでもないけれどさぁ、そういうふうにヌケヌケと言い切られるというのは、とくに「公共空間」についてそのような了見でものを言われると、やはり不愉快である。
この「みんな」の人たちは、たとえばニューヨークはセントラルパークの周辺で公園に近くなるほど税金が高くなる仕組みとかを紹介されると、なるほどそれは結構なことだと感心するわけで、つまり公園の周辺から富裕層以外を締め出して、公園周辺の環境を「よく」して、その結果として地価が上がり、みんながハッピーになる、というしくみがノー天気な図で示されたりしていると、やはりイラッとするでしょう。また、やたらと公共空間にカフェとかあるようなのが紹介されていて、民間事業者が運営したらいいのです、ハッピーです、というふうに書いてあるけれど、公園に行ってたんに一休みするだけで下らない(コーヒー代と称する)椅子代を取られるなんて、まっぴらごめんである、そして最近、まじでそうなりつつあるのだ。駅の構内で待ち時間にくたびれているのにタダのベンチがなくてカフェばっかりいろいろあるとかな。
『貧乏人の逆襲』と併せて読むべきである。
- 作者: 松本哉
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 文庫
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- 作者: 松本哉
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