社会契約論: ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ (ちくま新書 1039)
- 作者: 重田園江
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2013/11/05
- メディア: 単行本
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で、内容はというと、「社会契約論」という思考を「約束」をめぐる思考、社会秩序の基盤を「約束」に見出そうとする思考というふうに見るために、ホッブズ、ルソー、ロールズ、および敵役としてヒューム、の議論を辿るというもの。勉強になった。のか、あたりまえのところに着地したのかよくわからんところもあって、「自分が嫌なことは人にしないってお約束しましょうね」みたいなことかしらと一瞬、思わんでもない(特殊と一般が含まれている「約束」ではあるのだな)。ていうかだから、敵役として登場のヒュームがたぶん重要で、つまり今の世の中誰もが「ヒュームで正解じゃん?」と言っているところに、いやいや違いますルソーが大事なのです、ということなのだろうと思う。
それはともかく、ルソーの歴史観は6の字であるという素晴らしい説が書いてあってこれは図とともに広めるべき。甲府が自然状態で、新宿において文明が一定の状態に達して政治社会が形成される、とともに繁栄・腐敗のサイクルをぐるっとまわってきゃあーもうダメ!!と堕落の果てが再び新宿、円環が閉じて以下つねに反復的に新宿、そこがすなわち社会契約の地点であるという。新宿ってそうだったのか、すばらしい。