『ワイルドフラワーの見えない一年』。仕掛けで勝負する松田青子の超短編集。帯にいわく「私たちの思考を貫く50の物語」。

ワイルドフラワーの見えない一年

ワイルドフラワーの見えない一年

某日、研究会帰りに地下鉄駅から地上に出て、ちょっとあざとく文化的な本屋のあるビルに。で、新書とマンガと、あとこの本が売れていたのでこの本を。
もともと某雑誌の評論から『スタッキング可能』に流れて読んでみて(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20150426#p1 http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20151110#p1)覚えた松田青子という人の、超短編集。以前、この本にも収められている超短編のシリーズが掲載された文芸誌をたまたまぱらぱらと見たことがあり、まぁそのときは、なめてるな、と思ったわけだけれど、まぁそれはそれ。『SuddenFiction』などという本も昔あったわけで、嫌いではなかったわけなので、こういう超短編の小説はそれはそれでアリとは思ってるのだった。で、この本、やはり仕掛けで勝負する松田青子、という当初の印象は大枠かわらず、まぁ仕掛けと少しの批評性、というかんじ。印象はわるくなかった。