『美女と液体人間』みた。液体だけど人間みがうすいのが難。

美女と液体人間  [東宝DVD名作セレクション]

美女と液体人間 [東宝DVD名作セレクション]

  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: DVD
きのうの『ガス人間第1号』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2020/05/26/005650)がよかったので、「変身人間シリーズ」第一作を見てみた。ヒロインは白川由美。ギャングの情婦でキャバレーの歌手というところ。で、警察の捜査一課長が平田昭彦で、これが主役というところかな?なんだが、どうもはなしにメリハリがないかんじはあった。ひとつには、液体人間というのが、なんかどろっとした液体がじわーっと動いたりするんだけれど、人間みがうすい。液体じゃん、というかんじ。で、液体人間に襲われると液体になってしまうらしいのだけれど、べつにやられた人がまた液体人間になってしまうわけではないようで、つまり液体人間はオリジナルの1人?だけ、ということらしい。つぎつぎと液体人間が増殖していくというと、ゾンビパニック物みたいになるかもだけれどそうはならない。そうすると、じゃあそのオリジナルの液体人間がすごくこわいキャラクターかというと、さっきいったように液体がじわーっと動いてるだけなので、それをどういう心境で見て怖がるべきなのかちょっとわからない。液体なので感情移入もしにくい。なんか次々と被害者は出ているのはたしかなのだけれど、特定の復讐心とか特定の意図とかがあるようにもみえない。どろどろっとでてきてじわーっと動いてそのへんの人を液体にして窓から逃げていく、みたいな。ジョーズとか、怪物パニック物みたいなかんじかというと、そんな派手さもない。じわーっと動くので、怖がってる暇があったら走って逃げたら楽勝で逃げられそうだし(ていうか歩いて逃げてるし)、べつに執念深く狙いを定めて追いかけてくるほどの意図はなさそうなので、やり過ごしたらオッケーぽい。いっぽうで、警察のほうもびしばしと液体人間を追い詰めるみたいな展開があんまりなくて、行き当たりばったりで目撃したりして、けっきょく液体人間退治をするにしてもやりかたがおおざっぱ。というかクライマックスにメリハリがないというかクライマックス感がないというか。たとえばドカーンと一発大爆発、みたいなことをやるとわかりやすくクライマックス感が出るだろうけど、そういう「ここでクライマックスだ!もりあがりポイントはここだ!」みたいなことをやらないっていうか、これもじわじわーっと。あるいみ派手なんだけどね。えーと、なので、『ガス人間第1号』とおなじ本多猪四郎監督=円谷英二特技監督のコンビなんだが、この『液体人間』のほうはじわーっとしたムード優先のB級怪奇映画、『ガス人間』のほうはB級犯罪サスペンス、というかんじ。あ、そうそう。『ガス人間』の魅力だった、ハツラツとした準ヒロイン女子が、いなかったのも大きい。