ひきつづき(
https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2020/11/28/000207)。これもBOOK1&2の2巻本。でもこれはすぐ読める。タイトルにある「ケアする人も楽になる」というのがキモで、これはナース向けを第一に想定して、例にあがっているケースもナースの現場。でもとりあげられる困りごとは世間一般に共通するものでわかりやすい。また、
認知行動療法を専門にやっていく臨床家向けの入門書ではなくて、いろいろ日々悩みながら働いているナースの人が、クライアントとして事例に登場して、クライアントとして
認知行動療法に触れて、学んでいく、というつくりになっている。このあたり、
認知行動療法というのが、教育的というか、
コーチング的というか、最終的にはクライアント自身が自分で
認知行動療法的な考え方に習熟したりツールを使えたりして自立することが目標になってるというので、こういう入門書がなりたつわけである。そのあたり、臨床家をめざすわけでないふつうのひとに読みやすい入門書になってるゆえん。もちろんそうやって習熟すれば、そのナースの人が職場とかで、患者さんとか同僚とかの相談に、
認知行動療法的に対処することもできるようになるよ、という(もちろん、専門的なカウンセリングをするならカウンセラーでないとできないという理屈はあって、そのようにも書かれているわけだけれど)。内容的には、まぁとうぜんのことながら、この前読んだ『入門講義』と重なっているけれど、意外にこっちのほうでしか扱ってないテーマもあって、BOOK2のほうの、
パワハラ職場で鬱になる例とか、依存的な学生に振り回される看護大の先生の例とか、おもしろい。えーとつまり、ナースの現場という具体的な場面が念頭にあるので、そこからあれこれ広がるというか。
あとがきの日付は2011年1月。