通勤電車で流し読む『カルテはこう書け!』。

たぶんAmazon丸善か、そのあたりのお薦めで出てきたかなんかだけれど、まぁこれはお医者さんのための小テキストなので専門外の人間が読んでもわからないでしょうというのはそのとおりなのだけれど、面白そうかなと思って。ときどきお医者さん関連の本を見てる。精神医学とか看護とか入れるともっとですな。で、『ドクターG』とか好きで見てたので、やっぱ診断って面白そうだなというのはあるわけで、そうすると、カルテの書き方などはきっと面白いだろうと。あわよくば何かの参考になるかしらと思って。
でまぁこの本、「総合プロブレム方式」という書き方がいいぞ、という線でそのためのテキストになっているので、まぁ、いまふつうのお医者さんがどんなふうにわあっとカルテを書いているのかがわかる本ってわけではなかったけれども、それはそれ。ようするに患者さんの訴えをいろいろ聞いたり検査したりいろいろしたものをカルテに書きあげながら、それをうまく整理してそこから診断を導く、でどうなったかをまた記述、というかんじで、これはお医者さんの仕事にかぎらないともいえるわけで、あるいみでは、ケースを扱ういろいろな仕事、たとえばいろいろな生徒さんを指導する先生とか、でも同じような考え方ではあるだろうなと思いながら見てた。まぁ、あと、看護のテキストだとけっこう事例のおはなしが暗いのだけれど、お医者さんのテキストだとそれぞれのケーススタディの結末で病気が治るかんじでおわるので、読んでてあまり暗くならないので通勤電車で流し読むにはよかったあとまぁふつうに、お医者さんって頭の中でいろんな選択肢を考えるんだよなあ、『ドクターG』だなあ、と。まぁ、ふつうの町のお医者さんがみんながみんな『ドクターG』なのかはわからないけれど。でも尊敬しちゃうところである。

「総合プロブレム方式」というのは、「“内科医は主治医としての機能を営むべき”と考える,東海地方を中心とした医師の集まり「内科学研鑽会」の医師たちの日々の診療から生まれ」たものだそうで、
プロブレムリストを見直そう!(三澤健太郎) | 2007年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院

総合プロブレム方式におけるプロブレムリスト
 
(1)プロブレムリストの作成と管理
 この方式では「プロブレム」とは「患者が実際に持っている病気」で,その一覧表が「プロブレムリスト」です。プロブレムリストは番号とプロブレム名とそれぞれのプロブレムを登録した日付から成ります(表1)。一度登録したプロブレムは治癒しても記録として残し,新たに生じたプロブレムは次の番号に登録します。つまりこれはメモ書き的なリストではなく,言わば患者の病気の「戸籍」です。
主治医が最初に登録してから管理し,主治医が代わっても引き継いでいくことで,継続的に患者の持つ病気が漏れなく認識されることになります。さらに,主治医でない者もリストを見ることで,患者の病気の歴史と現在持っている病気を知ることができます。

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最初から疾患名が明らかでない病気の場合は,プロブレムの名は症状名や所見名で代用します。ここで重要なのは,これは病気の名の代用であって症状や異常所見の列挙ではないことです。認識が深まるにつれて,プロブレム名はより限定された疾患名へと展開します。
戸籍に戸籍法があるように,プロブレムを登録管理するためには一定の規則が必要です。

だそうで、
まぁ診察をしながら、こういう型に従ってカルテを書いていき、「プロブレム」単位で整理して管理していくよと。