通勤電車で読む『医療スタッフのための動機づけ面接法』。かなり好印象のテキスト。患者さんに禁煙を勧めるには。

これも例によってたぶんTwitterで見かけたんだが、たぶんコロナ関連の情報を得るために作っているお医者さんとかのリストで見かけたんだったと思う。動機づけ面接(Motivational Interviewing略してMI)というのがあるのだそうで、たとえば保健師さんとか産業医さんとかが患者さんに禁煙を勧める場面があったとする。まぁ、職場の健康診断の結果がちょっと悪くて産業医のところに行ってこいとなったとかなんとか。患者は仕方なしに来ている。そこに向けて、健康のためにタバコをやめろ、と言ったって、まぁいうことを聞かないわね。そこでMIである。内容としては、ロジャースのクライアント中心カウンセリングの受け答えのしかたプラス、もう少し方向性や目的が決まっている(すなわち、クライアントの話をただ聞いて受容するのではなくて、禁煙を勧めるという目的性はあると)。 まぁ、おうむ返しとか要約とかの技とともに、クライアントのことばのなかの現状維持的なことばと変化にむけたことばを聞き取りながら変化に向けたことばを上手に拾ってフィードバックして、変化に動機づけていく、みたいなことか。まぁね。で、理屈はシンプルだが実践はむつかしいというMIについて、このテキストは、とにかく面接の会話の事例をたくさん紹介している。それがまぁおもしろいわけである。