通勤電車で読んだ『回復への意欲を引き出す!高める!グループ動機づけ面接』。グループ面接に応用したらの本。

動機づけ面接の本を読むシリーズ( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/01/25/002506 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/01/30/212548 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/02/15/234944 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/02/16/214044 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/02/20/234353 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/02/22/153609 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/02/22/201719 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/02/27/165840 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/03/01/172515 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/03/05/123506 )。著者の人は、最初に読んだ『医療スタッフのための』と、いっこ前に読んだ『失敗しない!』の著者の人だった。あれこれ読んでると著者がかぶってくるというのはあるね。で、本書は、動機づけ面接をグループセラピーとか自助グループとかで使うみたいなイメージの、「グループ動機づけ面接」のやり方の本。これまで読んでたのとちょっと毛色が違ってくるのは、基本的に一対一の面接であれば、クライアントとのやりとりの中で面接者がこれこれの技術をもちいて動機を引き出すよ、というしかけだったのが、グループ面接になると、グループ参加者同士がコミュニケーションしあってその中で受容とか肯定とか学びあいとかが起こるよ、というところがかなり大きなポイントになる。そのあたりはエンカウンターグループみたいなもんかなと思う。で、そのうえでファシリテーターが「動機づけ面接」をやるよ、ということなんだけれど、そうするとつまりファシリテーターは個別の参加者に関わるとか動機を引き出すよとかを、しませんよ、ということになる。なぜかというとそのあいだほかの人はひまんなっちゃうし。なので、ファシリテーターはあくまでグループ全体のコミュニケーションをコントロールして、参加者同士のやりとりのなかで動機づけにつながるようなものを拾ってコミュニケーションの流れをそっちにもってく必要がある。たとえば参加者同士で説教とか「間違い指摘反射」みたいなことが起こったらどうする?というのも、うまくそこから両参加者の前向きな面を上手に掬い上げつつ(AさんはBさんのことが心配なんですね、だから教えてあげようとしたんですね、とかなんとか…)全体のコミュニケーションにつなげていく、みたいなことをする。なので、グループに二人、リーダーとコリーダーがファシリテーターとして入り、グループのやりとりのプロセスとコンテンツをうまくファシリテーションするよ、と。なるほど、話はわかる。そして、一対一の面接に比べてぐっと難しくなるだろうな。