森直人(2023)「「藤田-黒崎論争」を展開する - 教育行政=学校組織のエスノメソドロジーに向けて」『公教育を問い直す(教育学年報14)』読んだ。

1990年代に、「教育社会学者の藤田英典と教育行政学者の黒崎勲が「義務教育段階の公立学校選択制の導入」をめぐり、互いの著書・論考を具体的に指し示しつつ交わしたやりとり」というのが「藤田-黒崎論争」というものだそうで、しかしそれはまぁすれ違いに終わったようだと。で、そのやりとりをあらためて検討しつつ、どこでなぜすれちがったのか、そこで生み出されたかもしれない論点はどのようなものだったのか、をていねいに辿っている。で、森先生はその作業を「教育行政=学校組織のエスノメソドロジー」に向けたものとして提示しているので、タイトルだけ見たときに、え、なんだなんだ、と思ったけれども読んでみたら、まぁ議論のエスノメソドロジーというのはこういうかんじなのか、「展開」というのは意味合いとしてはexplicationということなのかなあ、など思いつつ読んだ。