通勤電車で読む『作文ぎらいのための文章教室』。
『「若者の読書離れ」というウソ』『町の本屋はいかにしてつぶれてきたか』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/10/12/160919 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2025/05/02/230405)の人の文章教室本。文章を書くには、誰に向けて書くかが意識されてないといけないよ、ということで、しかしこの本、帯には「うまく書けないすべての人へ」と書いてあるのでちょっと不穏。いちおう作文ぎらいの高校生に家庭教師の幽霊?が文章指南をする、というYAノベル的な構成になっているので、そのぐらいのかんじの読者が、受験小論文や志望理由書なんかを書きあぐねている時に読む、みたいなイメージなんだと思うけど、まぁそうすると自分やうちの学生さんたちには刺さらないかなあと思いながら読んでいた。こういうのは実用書なのでそれこそ面白くなくても簡潔に要点だけ書いてあったらいいのではと思うけれど、たぶんこの本は、300ページぐらいの、転生とかなんとかのファンタジー風味に仕立てられた文章読本を読み通して、ファンタジー部分をそれなりに楽しみながら文章読本部分をきちんと咀嚼することができるぐらいの、しかし作文は苦手だという高校生、みたいなかんじの読者にむけて書かれているんだろう。