全国一斉の体力テストの導入も検討…中山文科相
中山文部科学相は4日の経済財政諮問会議で、1966年に廃止された全国学力テストの復活に加え、新たに全国一斉の体力テストの導入についても検討する方針を明らかにした。
文部科学省によると、体力テストは現在、児童・生徒の体力や運動能力の傾向を調べるため、小中高校で各都道府県ごとに1学年あたり48人ずつ抽出する形で実施している。
文科相は諮問会議後の記者会見で、「確かな学力、豊かな心、健やかな体、挑戦する精神」を今後の教育改革の基本方針に据える考えを示した上で、「これらをいろんな意味で検証、観察する必要がある」とし、学力・体力テスト導入に意欲を示した。学力テストについては「(諮問会議の)民間議員の中にも評価する意見があった。大学全入の時代を迎え、学力競争をあおらず実施することは可能ではないか」と述べた。
(読売新聞) - 11月4日22時23分更新
この人はようするに全国いっせいになんやかんやテストしてみたい人であるらしい。
「確かな学力、豊かな心、健やかな体、挑戦する精神」ってんだから、あとふたつ残ってるようにも見えるけれど、「全国一斉心理テスト」とかやると面白いかもしれないですな。児童生徒のなかで誰がどのくらい豊かな心を持っているのか、検証、観察する必要があるわけであるってことで。←っていうと、冗談でなく賛成する人がけっこういそうな気もする。やれやれ。
「学力テスト」と、「体力テスト」、と並べてみて、これはしかし同じことなのか、違う意味なのかと考えてみる。
で、さらにたとえば「心理テスト」というのも並べて比べてみて、考えてみる。
で、たとえば、それらを「国が」「全国の児童生徒にいっせいに」実施するというのがどういうことか、というのを考えてみる。
いいとかわるいとか賛成とか反対とか好き嫌いとかいうのとはべつに、そういうことをちゃんと考えてみると面白いとおもう。
というのも、
今日2回生のゼミで、ちょうど、学生が以下の論文についてレポートしていたので。
腰越滋「進学適性検査の廃止と日本人の階層組織化の規範---適性か努力か---」
『教育社会学研究』 第52集 東洋館出版 178-207頁 1993年
けっこう関連してくるのではないかしら。
そうするとたとえば、
「確かな学力、豊かな心、健やかな体、挑戦する精神」
っていうフレーズに、「心」と「精神」とが使い分けてあるのはどういうことやろう?
(まさか、「全国一斉精神鑑定」とか・・・)
とか、
そういえば「全国一斉知能テスト」ってのは言い出さないのか、
とか、
じゃもういっそのこと
「確かな学力、豊かな心、健やかな体、挑戦する精神、高い知能」
と言っちゃうってのはどうだろう?とか。
つか、
きのうの記事の中ではこの人は、
中山文科相は全国学力テスト復活の狙いについて、「子どもや学校が、自らの占める位置を全国規模で把握し、学力面で競争する風潮を醸成したい」としている。
っつってたんじゃなかったか。
んで、きょうの記事では、
学力テストについては「(諮問会議の)民間議員の中にも評価する意見があった。大学全入の時代を迎え、学力競争をあおらず実施することは可能ではないか」と述べた。
っつってますね。
この人は何がしたいのか? べつに学力競争をあおらずに実施することも可能かしんないけど、でも学力面で競争する風潮を醸成することこそが狙いなんだから、そこはずしちゃだめでは?
で、ついでにいうと、じゃあ体力テストの方は、「子どもや学校が、自らの占める位置を全国規模で把握し、体力面で競争する風潮を醸成したい」ってことなのか、とか。
つか、
「健やかな体」ってんなら、「全国一斉健康診断」では?とか。