IEA学力調査:得意の理科も学力低下 文科省も認める

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20041215k0000m040142000c.html

 国際教育到達度評価学会(IEA)が03年、各国の中学2年生(46カ国・地域参加)と小学4年生(25カ国・地域)の学力を調べた国際数学・理科教育調査(TIMSS)で、世界トップレベルとされてきた日本の小4理科と中2数学の平均点が前回(小4は95年、中2は99年)から下がったことが分かった。小4理科は553点(2位)から543点(3位)へ、中2数学は579点(5位)から570点(同)へと統計的な誤差の範囲を超えて下がった。高校1年生の読解力が下がった経済協力開発機構OECD)の03年学習到達度調査(PISA)に続き、学力低下が浮き彫りになった。

 中山成彬文部科学相は「二つの調査結果を見ると、我が国の子どもの成績には低下傾向が見られる。世界トップレベルとは言えない」と語った。文科省国立教育政策研究所と共に両結果を分析して、授業改善策などの指導資料作りを急ぐ方針。

 各国で無作為抽出された小4計11万6951人、中2計22万4503人が参加した。得点は参加者平均が500点となるよう統計的に処理された。

 中2の数学で、日本は前回99年も前々回95年(3位)から平均点が2点落ちたが、この時は誤差の範囲内とされていた。今回、625点以上の生徒数は前回の29%から24%に減り、400〜549点の生徒が32%から36%に増えた。99年も今回も出た同一問題(79問)の正答率は上位10カ国中唯一、「代数」など全5分野で落ちた。79問の平均正答率は70%から66%へと下がった。

 高得点層の減少傾向は小4の理科にも見られ、550点以上の児童が前回の54%から49%に減り、549点以下の子が46%から51%に増えた。

 小4の算数は前回から2点減の565点で、同じ3位。中2の理科は2点増の552点で、4位から6位に下がった。文科省はこの点の増減は誤差の範囲内と見ている。どちらの教科・学年でも1位はシンガポール。03年PISAのうち2分野で1位だったフィンランドは参加していない。

 同時実施の意識調査で「勉強が楽しい」と答えた子の割合はどちらの教科・学年でも国際平均を大きく下回り、最下位レベルだった。一日の過ごし方で「宿題をする」は中2で1時間と最低、小4は0.9時間で下から4番目。「テレビやビデオを見る」は中2で2.7時間と最多だった。【千代崎聖史】

 【ことば】国際数学・理科教育調査 IEA(本部・オランダ)が1964年に始めた。00年に始まったPISAが知識や技能を実生活に活用する能力(読解力、数学的活用力など4分野)を測るのに対し、教育の到達度(基礎的な学力や知識)が測られる。各回の調査結果同士を比較できる方式になったのは95年から。

毎日新聞 2004年12月15日 0時50分

なんだかこのところ「学力低下」関連のニュースがたてつづけに流されてるなあ。
なんか煽ってる感じがあるんやが。
ちなみに、
前回(第3回第2段階調査)の報告書(2000年)は↓ここ。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/12/12/001244a.pdf