「学習状況調査:朝食とる子は正答率高い! とらない子を十数ポイント上回る /埼玉」ってもなあ。

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20060801ddlk11040388000c.html

◇県が小5と中2調査
 子供の生活習慣が学力に影響する実態が、県教育局の学習状況調査で明らかになった。県内の小学5年と中学2年を対象に行ったところ、朝食を必ずとる子は、とらない子より試験の正答率が小5で14・6ポイント、中2で15・2ポイント上回った。島村和男県教育長は「学習の基盤となる望ましい生活習慣の確立が大切」と話している。
 今年1月、県内の全公立小中学校(さいたま市を除く)の小5と中2の児童・生徒計10万5569人に調査した。国語、社会などの「ペーパーテスト」と、生活実態や勉強に対する意識を尋ねた「アンケート調査」の結果をクロス集計した。
 その結果、ペーパーテストの正答率は、朝食を「必ずとる」と答えた小5児童(全体の80・6%)の76・6%に対し、「全く・ほとんどとらない」と答えた児童(同1・4%)は62・0%。中2も「必ず」の生徒(同71・3%)は68・8%だったが、「全く・ほとんど」の生徒(同3・6%)は53・6%だった。
 また、登校前に持ち物を「必ず確かめる」と答えた小5児童の正答率が77・2%だったのに対し「全く・ほとんど確かめない」児童は65・3%。中2も70・0%に対して57・6%と開きが出た。1日の平均睡眠時間と正答率の相関は、小5が7〜10時間、中2は7時間前後で正答率の高い傾向にあった。
 調査結果をまとめた同局義務教育指導課は「規則正しい生活と学力向上の相関関係がデータで裏付けられた。今後の教育指導に反映させたい」としている。調査結果は同課のホームページで閲覧できる。【高本耕太】
毎日新聞 2006年8月1日

あー、
まあ、このての調査結果はさいきんよく出てくるわけで、埼玉県の人たちが柳の下のなんびきめかのドジョウを狙って調査したのはわかる。まぁ、生活習慣ができているかどうかと成績とのあいだには相関関係があるだろうから(そんなことは、昔からわかりきったことであるわけで)、そら結果はでるがな。と思う。
それはそれとしてしかし、

朝食を「必ずとる」と答えた小5児童(全体の80・6%)・・・に対し、「全く・ほとんどとらない」と答えた児童(同1・4%)
中2も「必ず」の生徒(同71・3%)・・・「全く・ほとんど」の生徒(同3・6%)

というのをみると、
「朝食とる子は正答率高い!」という見出しはミスリーディングで、「朝食を全くとらない子(クラスにひとりいるかいないか)は正答率が低い」というべきやと思う。
「朝食とる子は正答率高い!」という見出しは、ごく平均的なおやごさんたち(しばしば朝食を準備する担当の母親)に、ちゃんと朝食を作って食わせろ、そうすれば子どもの成績は上がるぞ!というメッセージを伝えるけれど、
この数字そのものは、クラスにひとりいるかいないかの「朝食を全く・ほとんどとらない」子どもについて述べているに過ぎない。えーと、クラスにひとりいるかいないか、というぐらいの確率でいうなら、きょうび、それぞれの子どもの家庭の事情というのはさまざまにありそうなわけですので、そういう子どもたちや家庭に対して公教育として何ができるか、と考えると、もう飯を食った食わんみたいな話ではなくなってくる気がする。