きのう買った本はそのままで、まぁなんとなく空き時間ができたので売店に行って、時間のつぶれそうな本をみつくろう。
そうすると中島義道、ということになって、この人、好きじゃないはずなんだけれど、なにしろたくさん出ているので、ふらっと入った売店に未読のものが並んでいる率が高いので、買うわけで、なんだかんだいって『時間論』とか面白かったので、また買って、読みかけている。
「哲学実技」のすすめ―そして誰もいなくなった・・・ (角川oneテーマ21 (C-1))
- 作者: 中島義道
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 新書
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素人との対話篇というと、入門篇みたいにみえるし、そのつもりなのだろうけれど、まぁ対話篇といっても、結局著者が架空の人物を話し相手にして書いているのだろうから、話のもっていきかたじたいはけっきょく著者のコントロール下にあるわけで、その話の進行具合が、はたして入門者向きになっているかどうかというと、まだ途中までしか読んでないからわからない。対話者役の素人の人が、あんまりものわかり良すぎず、またあんまりピントはずれにもならず(こりゃならないか)、うまくドライブしてくれるといい。
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と書いてから、いちどアップして、そうするとこの書名がキーワード?になっているので、ほかの読者の人の感想文が見れて、なんかオチがさきにわかってしまったのだが、まぁこういうタイトルだからそんなところかなあとは思っていた。いやしかし、おなじことで、そういうオチがあざとくなるか、ぐっとくるか(それこそ「身体にしっくりくる」か)は、緩急のドライブのぐあいしだいだなあ、と。
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はい読み終わりました。
結論から言って、学生さんに薦めるかというと、薦めないと思う。
おもしろくなかったかというと、まぁそこそこだったと思う。
じゃなぜ薦めないか、というと、そこそこおもしろかった以上に、やはり中島という人は嫌いだ、という感じがしたから。
じゃなぜそこそこおもしろかったか、というと、中島という人が、自分の書くものがなぜ嫌われるのかを全力で書いているから。
じゃなぜそれがそこそこ以上におもしろいと思われなかったか、というと、それはこの本を読むとわかる。
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じゃ、問いの立て方を変えて、この本、哲学的に深いか、というと、そうは思わない。
じゃ、この本は紙パルプ資源の無駄か、存在価値がないのか、というと、そうも思わない。
この本、たとえば、ふらっと時間つぶしのために本屋に入って、なんとなく買い、さーっと読んで、やっぱり中島というのは嫌なやつだ、などと思う、というぐらいがちょうどいい読み方の本、だと思う。
つまりそれは、「世の中には嫌なやつというのは、存在するものだ」ということであって、
つまり、この本はその程度にはリアルで、その程度には正直な本だ、ということで、それはやはり珍しい(貴重、かどうかは判断の分かれるところだが)ものだ、と思う。
だけど、学生さんに薦めるのに、わざわざ、浅薄で嫌なやつを、いくぶんか正直だという理由だけで推薦する気にはならないわけで、
つまり、薦めない、ということはそういうことだと思う。