東京都・神奈川県の教員採用試験(小学校)大学推薦制度(内外教育研究会weeklycolumn「1+3=4?」)

http://book.jiji.com/kyouin/column/index.html

学校推薦イコール入学という常識からすると、東京都と神奈川県が今年の教員採用試験(小学校)から取り入れた大学推薦制度は、小学校一種(専修)免許状を出せる全国の大学100校あまりに、東京都300人、神奈川県100人の計400人の採用を約束したことになる。
 どちらも「一次試験の筆記を免除するだけ」で、推薦選考といっても面接を中心とした2次選考は受けることになる。競争倍率が3倍を切りそうだという状況の中で、優秀な受験生を全国から集めたいという発想だ。推薦の条件を神奈川県は「学業成績優秀の者」、東京都は「教育現場でのボランティア暦3週間以上」などとしている。ただ、神奈川県にしても、その目的を「筆記の負担をなくし、大学在学期間中にできる限り即戦力となる教育実戦力を高めてもらう」としており、いずれも現役学生のなかでも、「実戦力のある人」が欲しいというのが共通のねらいだ。
 両教委の担当者とも、全国の大学からどれほど推薦が集まってくるのか、初めての試みであり、ひやひやの毎日のようだ。一方、地方の教委にとっては、地元で育てた優秀な教員候補者を、たとえ一人でも「推薦」というかたちで「青田刈り」されるわけで、「どうぞ」と賛成できる制度ではない。
 都教委の幹部は「教員採用数にかなりのずれがあるので、都道府県間でもっと融通しあえるといいのだが」と話している。全国レベルで一定水準の者を選抜し、都道府県間で融通しあおうという意見にも一理あるが、各県にはそれぞれの「教育風土」があり、そうは簡単にはいかないだろう。
 それにしても、大学推薦を受けるぐらいの現役学生であれば、1次の筆記試験ぐらいはあまり苦にするようにも思えないのだが。 (浅)06年4月21日

http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/exam.cgi?20060407-1

2006年04月07日11時00分
●東京都=採用予定は2070人、補欠は撤廃
 東京都教育員会は7日、19年度教員採用試験の募集要項を発表した。注目の採用人数は2070人で前年の1560人を約33%上回る大型採用となった。同じく7日に要項を発表した大阪府堺市の2310人に次ぐ全国2番目の大型採用となる。
 2千人台の募集は、まさに「団塊の世代」が就職した昭和46年、47年(年に数回募集)以来のことで、40年ぶりになるという。
 なかでも小学校は前年度の1060人から140人増の1200人となっており、競争率の低下という、採用側には「頭が痛く」、受験者には「歓迎」される状況となっている。
 主なる改正点は、受験年齢の緩和で、一般選考については5歳引き上げられ40歳未満まで受験可能となった。また東京都の採用試験で長年、受験生を悩ましてきた「補欠者制度」が撤廃され、4月1日採用の「名簿登載者」のみの合格発表となる。
 また、特殊諸学校や中学技術ではすでに導入されていた「大学推薦制」による特例選考が、「小学校」教員にも適用される。採用は予定数の内数となっているが、それでも「1種小免」の課程をもつ全国の大学に「3人を上限に推薦を依頼する」(人事部選考課)というから、最大では300人近い推薦枠となる。
 改善点を含む詳細は東京都教育委員会ホームページに掲載されている。