つかれている。思ったことが独り言で声に出る。危険だ。

学校帰りの電車で、座っていたら、隣のスキマに、60がらみのりっぱそうな、スーツ姿のおじさまが座ってきた。それで、身体を細くして座っていたのだけれど、いくつめかの駅で乗客が乗り降りするざわざわした雰囲気にまぎれておじさまの読んでいる本をチラ見したら、
「源太郎からの返事はなかった」
みたいな(まぁ記憶は適当だけれど雰囲気そんな感じの)フレーズが目に入った。
んで、これ、哲学書ではないわけで、孔子でもクラウゼヴィッツでもないし、プルーストでも森鴎外でもなくて、まぁ100歩ゆずって司馬遼太郎でもたぶんなくて、なんというかベタな大衆小説だろうなあと。
で、まぁそれはいいのですが、なんかこっちがつかれていたのがわるいのだけれど、ふと口をついて、
「なーに読んでんだか」
と声に出してしまい、まぁ、それでものどのほんとに奥でうっすらと声に出ただけだったんでどうやら気づかれなかったにせよ、
あぶないところだった。
きをつけよう。