ゲーム通じ金銭教育

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20060919ur01.htm

小遣いなどお金の計画的な使い方を子供のころから意識させようと、ファイナンシャルプランナーやジャーナリストがゲーム教材を考案し、金銭教育に取り組んでいる。
 ゲームを通じてお金のやりくりを学ぶことで、正しい金銭感覚を身につけさせるのが狙いだ。
「カレー作り」で節約学ぶ
 福岡県宗像市で8月末に開かれた「こづかいゲーム」と題したイベント。参加した小学生約30人に、500円か1000円の「小遣い」の金券が与えられた。
 ゲームではサイコロの出た目に応じて、小遣いで自分の欲しい物を買ったり、トラブルで不意の出費をしたりする。それによる収支の増減を子供たちは記帳していく。
 ゲームを考案したのは、ファイナンシャルプランナーで「マネーじゅく」代表の陣内恭子さん。「買う買わないを子供自身が主体的に判断することで、お金のやりくりや家計管理力が身につく」と話す。
 マネーじゅくのメンバーは各地の生協と協力するなどして、こうしたイベントを2002年から全国で300回以上開催している。今後の日程はマネーじゅくのホームページ(http://www.moneyjuku.jp)で確認できる。
 生活経済ジャーナリストで「子供のお金教育を考える会」代表のあんびるえつこさんが考えた「カレー作りゲーム」も、お金のやりくりを考えさせるものだ。日銀などで構成する金融経済教育の支援活動を行う「金融広報中央委員会」の公開授業の教材にも採用された。小学校の総合的な学習などを含め、03年以降50回以上開催されたという。
 カレーの材料を全部買うには、手元のお金では足りないという設定。そこで牛肉より安い豚肉にしたり、タマネギを買うのをやめたりといった工夫を子供たちに考えさせる。
 あんびるさんは「何かを買うと別の何かが買えなくなることが実感できるようになっています」と話す。
 金融広報中央委員会のホームページ「知るぽると」(http://www.shiruporuto.jp)でも小遣い帳をダウンロードでき、学校や家庭で使えるようにしている。
 2002年度から実施された学習指導要領で、従来は小学校の家庭科にあった「金銭の使い方と記録の仕方を工夫すること」という項目が削除された。しかし小遣いを通じた金銭教育を重視する学校や親の間で、ゲーム感覚で学べる教材が注目されているようだ。
 共愛学園前橋国際大学教授(発達心理学)で、「子供とお金研究会」代表の山本登志哉さんは「お金をうまく使うことは、自分の欲望を適切にコントロールできることでもある。子供はお金を使う経験を通してそれを体得するわけで、お小遣いには教育的役割が実際にある」と指摘している。(田淵英治)
(2006年9月19日 読売新聞)

教育にゲームを導入するというと、こういう「シミュレーションゲーム」が、ひとつのパターンとして、ある。
たぶん、一定の効果があるのだろう。でも、その効果について、なぜどういう効果があるのか、というのをきちんといえているかというと、いえてないんじゃないだろうかという説。
このゲームも、どんなゲームなのかこの文章だけからはもひとつわからないけれど、もしこのゲームを考えた人が、小学生はゲームの中で虚構の金銭をやりくりすることによって現実の金銭感覚を磨くのだと考えているとすれば、虚構と現実の区別がつけられないのだろうと思う。
もし小学生がこのゲームをやることによって金銭感覚を本当に磨くとすれば(それはある程度ありそうなことではある)、それは、たんに虚構が現実に平行移動するから、ということ以外のなにごとかが起こっているとは考えられないか。

つうか、予算が足りないからといってたまねぎを買わなければ、カレーはできないのではないでしょうか。
たまねぎの入っていないカレー・・・もあるのか? 
たまねぎを省略するぐらいなら、いもだのにんじんだのはすでに省略してあるんだろうな。
いもやにんじんが入ってたまねぎが省略されているカレーはまずいと思う。
そんなものをつくることをお金のやりくりと呼びたくはない。