「生徒評では人気者 いじめ誘発男性教諭『悪ふざけ多い』とも」

↑上のエントリの続きでこの記事を紹介するといかにもこの先生を弁護するように見えそうだけれど、そういうつもりは少ししかない。少しはあるけど、基本的には、この先生はアウトだろうなあという心証。でも、たぶんそれは紙一重なんだろう、にたようなきわどい橋を渡りながら先生稼業をやっている人は多いだろう、という心証もある。あと、マスコミはかさにかかってバッシングをするものだなあ、というふうにも思う。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061017/eve_____sya_____004.shtml

生徒評では人気者
いじめ誘発男性教諭『悪ふざけ多い』とも
 福岡県筑前町の町立三輪中学校二年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、生徒の一年時の担任でいじめを誘発する言動をした男性教諭(47)は、経験豊富な人気者と評される一方、悪ふざけも多かったと生徒は話す。
 関係者によると、男性教諭は同校に赴任して四年目。国語を担当し、サッカー部の顧問もしている。合谷智校長は「周りをまとめたり、引っ張る力にたけているので学年主任にした。学校行事の経験も豊富で改革力や企画力がある」と話す。
 生徒たちの評判も悪くなかった。三年生の女子生徒二人は「サッカー部の指導などで怒るときは怖いが、面白くて人気があった」と口をそろえる。小さな子が好きで、別の教諭の子どもをかわいがる姿が印象に残っているという。
 一方、別の女子生徒は「口が悪いところがあって、よくふざけていた。そこが人気でもあったが、言われる方は傷つくと思う」。
 自殺した生徒を「偽善者」と呼んだり、生徒をイチゴの品種に例えて序列化し、保護者から中止を求められたり。学校側の調査では、度が過ぎた教諭の言動は、約一年半前の一年生の一学期が中心だったという。
 合谷校長は「自殺の直接原因は、その後の生徒によるいじめである可能性が大きい」と話し、慎重に調べる姿勢だが「(教諭は)いじめの引き金をひいた。言動がなければ自殺はなかった」と、男子生徒の両親の怒りは収まらない。
■同級生が校長に「いじめ」を報告 生徒の父明かす
 福岡県筑前町の町立三輪中学校二年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、父親(40)が十七日、男子生徒へのいじめについて詳しく知っている同級生が校長にいじめの実態を話していることを明らかにした。
 父親によると、十六日夜に訪れた合谷智校長に「同級生がすべてを校長先生に話していますね」と尋ねると、合谷校長はその事実を認めた上で「まだ調査をしているので、詳しく判明すればお伝えする」と回答した。
 両親もその同級生からどのようないじめがあったか詳しく聞いているという。
 福岡県警朝倉署も遺族や教諭、同級生らから事情を聴くなどして生徒が自殺に至った詳しい経緯の調べを始めた。
 同署は学校での生徒の様子について学校や同級生から話を聴いたり、生徒の両親から提供を受けた生徒の携帯電話に残ったメールを分析。いじめの実態把握を進め、自殺にどのようにつながったかを調べる。
 一方学校側は十六日に全校生徒を対象に、今後、教職員に期待することを聞く無記名のアンケートを実施。アンケート自体は男子生徒の両親が希望したものだったが、父親は「先生の悪いところ、先生がいじめをやっているかを聞いてほしかった。内容がお願いしていたものと違う」と憤った。

別の記事。同じ材料からちょっととずつちがう書き方をしている。

http://www.nikkansports.com/general/p-gn-tp0-20061018-105152.html
福岡いじめ自殺、担任悪ふざけ多かった
 福岡県筑前町の町立三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、1年時の担任でいじめを誘発する言動をした男性教諭(47)は、経験豊富だが、悪ふざけが多かったという。男性教諭は同中に赴任して4年目。国語を担当し、サッカー部の顧問をしている。
 合谷智校長は「周りをまとめ、引っ張る力にたけているので学年主任にした。学校行事の経験も豊富で改革力や企画力がある」と話し、生徒たちの評判も悪くなかった。3年生の女子生徒は「サッカー部の指導などで怒るときは怖いが、面白くて人気があった」。一方、別の女子生徒は「口が悪いところがあり、よくふざけていた。そこが人気でもあったが、言われる方は傷つくと思う」と話した。
 男性教諭は
 (1)騎馬戦の練習中、転落した男子生徒が大事を取って腕にギプスを巻いたものの、骨折などの異常がなく外したところ「ウソだったんだな」とからかった。
 (2)クラスの生徒を成績に応じ、イチゴの品種になぞって序列化。優秀な生徒は「あまおう」「とよのか」と呼び、成績の悪い生徒を「出荷できないイチゴ」と呼んだ。
 (3)男子生徒が自宅で見ていたネットの内容を相談したところ、相談内容を同級生に暴露した。
 (4)男子生徒が級友の消しゴムを拾ったところ「君は偽善者だ」と言った。
 (5)女子生徒に「太っているので豚」と言った
−ことなどが分かっている。
 合谷校長は「自殺の直接原因は、その後の生徒によるいじめである可能性が大きい」と話し、慎重に調べる姿勢だが、男子生徒の両親「(男性教諭は)いじめの引き金をひいた。言動がなければ自殺はなかった」としている。
[2006年10月18日7時58分 紙面から]

底の浅いつまらん人気取りではある。好きなタイプではないです。
でも、じゃあ他の先生たちはどうだったかというと、結局、この先生の「指導力」にたよってたところはあるんじゃないか。
げんに生徒からの人気だってあったわけで(中学生というのは、まぁ集団としてみれば、底の浅いもんである)、たまたま取材した女子生徒のうちひとりが「言われる方は傷つくと思う」と言い添えているのを、大きく取り上げている。
ふたつの記事の前者は「生徒評では人気者」という見出し、後者は「担任悪ふざけ多かった」という見出し。

なんか「いじめ問題」がまた再燃しそうな空気でもあるのだけれど、
今回のが以前のと同じなのか違うのかを見ていきたい。
たとえば、なぜ「いじめた生徒」に対する非難がなくて、教師に非難が集中するのか、とか。
なんか、
「いじめ問題」が「不適格教師問題」の枠に落とし込まれていくような予感もあるけれど、それはまだ無責任な予言に過ぎないですが。