市野川『社会』面白かった。篠原『ベルクソン』が面白かったのはベルクソンの功徳やと思う。

社会 (思考のフロンティア)

社会 (思考のフロンティア)

少し前までは、社会学を知らない人が、社会学社会主義ってどうちがうのみたいなことをまぁいっていたわけで、そりゃ違うでしょうと答えていたわけなのだけれど、でも両方「社会」っつってるじゃん、しかしそもそも「社会」ってなんなのかね?というわけで、
この本の「はじめに」のところで、

・・・おそらく日本で最も見落とされている意味・・・その具体例は、以下の二つの文言に見て取れる。

ドイツ連邦共和国は、民主的、かつ社会的sozialな連邦国家である
ドイツ基本法第20条)

フランスは、不可分の、世俗的、民主的、かつ社会的socialな共和国である
(フランス現行憲法第一条)

ある意味で皮肉なことだが、ここで用いられている「社会的」という言葉ほど、今の日本の社会学者にとっては耳慣れない、また縁遠い言葉は、ほかにないかもしれない。英語以外の言語に対する感受性の低下も一つの要因だろうが、今の日本の社会学者で、この「社会的な国家」が何を意味するのかを即答できる人は、そう多くないはずである。

といわれて、あー、わかんないから社会学者合格だあ、と微笑みながら読む。
先日、この本↓を読んでいたので、ちょうどよかった。

日本とフランス 二つの民主主義 (光文社新書)

日本とフランス 二つの民主主義 (光文社新書)


あとこれ読みました。
ベルクソン―“あいだ”の哲学の視点から (岩波新書)

ベルクソン―“あいだ”の哲学の視点から (岩波新書)