通勤電車で読みあげる『スポーツニュースは恐い』。ひろいもののディスコース分析。

スポーツニュースは恐い―刷り込まれる〈日本人〉(生活人新書)

スポーツニュースは恐い―刷り込まれる〈日本人〉(生活人新書)

学生に薦める新書を決めるシーズンである。読んだことのある本にくわえて、面白そうな本をさがす。今日はさしあたり、ネット上のお噂なんかをちらちら見ながら当たりをつけてたりして、それで学校帰りに本屋に立ち寄る。目当ての本はあったりなかったり。で、新書の棚をその気で見ていると、やはり面白そうな本もあったり。帰りの電車で、途中下車して本屋に寄り、そこからまた歩いて別のビルに入っている別の本屋を見つける(こっちのは、店的には少し狭いけれど、ビジネス書の棚とかコンピューター関連の棚に妙にライフハック系の本が並べられていたりしてちょっと面白い。その前あたりで高校生がたむろして、iPhoneなんてしょぼい、赤外線がないから、みたいなことを言い合っている)。けっきょく、いちばん買ってみたかった本はなかったけれど、何冊か購入。学生に薦めないだろうなという本までついでに購入。
さてその流れで、さしあたり学校帰りの商店街の古本屋で見つけた『スポーツニュースは恐い』を、そのまま帰りの電車で読んで、片道でさっくり読み上げた。著者はもとNHK記者だったかの、ジャーナリストだかライターだかの人。留学して大学院でディスコース分析の勉強をしてきたということで、意外と社会学っぽいというか文化研究してる。スポーツニュースを読み解くと、ジェンダーナショナリズムが浮かび上がってきますみたいなはなしで、そらそやろというはなしだけれど、学生さんに薦めるのならこんなかんじはいかが、というぐらい。まぁ、ジェンダーはともかく、ナショナリズムの分析なんてのは関心の持ち方からすればアカデミックなのでうちの学生さんにピンと来るかどうかはわからんな。意外と高尚な本であるのかもしれん。でもまあすぐ読めたしわりかしおもしろかった。