浅くて薄っぺらいといえばこれだ。先月見ててけっこうよかった『DVD 認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ』。

浅くて薄っぺらい理論のカウンセリング系に手が伸びたのは、先月、このDVD&本を見ててけっこうよかったから。本のほうは、DVDの書き起こしだと思う。わたくしは両方買ったけど、たぶんDVDで見るのがだんぜんいい。
で、認知行動療法、である。何年か前に、なんか評判をききつけて気になって買い集めていてこのDVDもそのとき買ってそのままにしてたのだけれど。ま、もとになってるののひとつがエリスの論理療法だってことで、ま、深々とはしてない。でもこういう、小難しいことを言わずにさくっと直しますよ、仕事に行けなかったのが行けるようになりまっせ、不登校もピタリと治るよ、みたいなノリは、ま、流行るだろうし、ま、じっさい治るっていえば治るだろうから、そんならそんでええやんという。ま、そういうふうに思っていて、で、認知行動療法ってのもそのたぐいだろうなあと。で、DVDもつんどくになったままだったのだけれど、ちょっと見てみよか、と、見た。
で、ワークショップというけれど、まぁ初級ってことで、参加者はたぶんほかの流派のカウンセラーとかの人たちとか現場を持っている人たちかなにかで、そういう人たちに認知行動療法の考え方のイロハと、あとは治療の流れの大枠と、とくに最初のところをちょっと具体的に、紹介するもの。簡単なロールプレイもあったけれど、基本的には講師の人が喋る講義。
なのだけれど、めっちゃコンサルっぽい講師のひとが、パワーポイントでプレゼンしてる。で、この認知行動療法というの、50分のセッションの最初に、「今日のアジェンダはこれとこれでよろしかったでしょうか」的な?ビジネスライクな感じで決めて、ミーティングって感じでさくさくと進めていく。その感じがじつにいい。DVDで見るのがだんぜんいいというゆえん。で、たぶんそのへんは、認知行動療法そのものがそうだというのと、この講師の人っていうかカウンセラーの人の持ち味がそうなのだというのがあると思う。クライアントが喜びそうな深々とした世界にひきずりこまれそうな感性が、よくもわるくも欠如してるタイプの人で、そのへんをじつはワークショップの中で参加者の人からの質問で触れられていたところがよかった。にっこりわらって、「じぶんはそういうふうになったことがないのでいつも不思議がられているのです、逆に、終わったら後で教えてくださいね」と言ってその場をさらっと流していた。そういうところのバランス感っていうか、危機回避能力っていうか、そういうのもカウンセラーの力量だなあと思って、たぶんこの人はちゃんと治すんだろうなあ、と想像した。
たぶん、こういう薄っぺらいカウンセリングを必要としているクライアントが大量にいるわけで、ま、現代社会のストレス社会のうつ病社会がこころの時代なんでそういう薄っぺらい(けど本人にとったら大いにしんどいんやろうけど)悩みを持ったクライアントを大量に産み出してるんだろうなあ、と、まぁなるほどなあと思った次第。