風邪の中の読書。『移動祝祭日 『凶区』へ、そして『凶区』から』読んだ。60年代詩のボディとかなんとか、ていうより、グループ、について。

移動祝祭日―『凶区』へ、そして『凶区』から

移動祝祭日―『凶区』へ、そして『凶区』から

少し前に新聞の書評か何かでこのタイトルを見て、『凶区』、というと金井美恵子が同人だったんじゃなかったっけ?それなら読んでみねば、と思って、それをようやく買って読んだ。『凶区』というのは、60年代の詩の同人誌で、詩なんかさっぱりわからないのだけれど、その当事者だった著者による、同人誌の前史から解散、その後までのあれこれは、とてもよかった。詩についてというより、60年代という時代と、その時代において成立したグループのありようについて、書いてあって、よかった。ある種理想的なグループが成立して、それがある一時期にとても多幸的な環境を作り出して生産的になり、それでそのうちその役割を使い果たして終結する。こういう話は、ロックバンドの物語でも、研究上の学派の歴史でも、よくあるわけで、そういうはなしは好きなんである。
ちなみに金井美恵子は、『凶区』という同人誌がすでに「拡散期」を迎えるころに参加した、ひとりだけ世代の異なる同人として登場するわけで、また、詩よりも小説のほうに進んで現在に至ってることもあって、あまり活躍はしない。