- 作者: 筒井佐代
- 出版社/メーカー: くろしお出版
- 発売日: 2012/05/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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01A:情報要求
02B:情報提供
03A:理解
と定式化されて、さらに実際の会話たちから抽出されたパターンを加味して、
01A:情報要求「え」「今日/明日/昨日」「誰と/どうやって/どこで/なにで/何年目」「V−るの?/V−たの?/V−てました?」「どうでした?/[形容詞−た]?」
02B:情報提供「うん/[名詞]/[形容詞−た]よ」
03A:理解「なるほど/ほんとに/うん/あー/そうか/[2Bの繰り返し]」
というふうに定式化される。以下こういうのが30個定式化されるわけで、これが雑談を構成する連鎖のパターンであると。
で、雑談はこういう限られたパターンの連鎖組織からなるので、日本語教育の場ではこれを手がかりに教えて練習させればいい、と。
うーん、たしかにそういう学習方法はありうるかも、と思いつつ、しかし、やはりほんまか?と思うし、雑談とはすなわち会話のことではないのか、だとすればこういうふうな努力をいくら重ねてもパターンを挙げつくすことはできないのじゃないか、とも思うし、また、こういうスキットをたくさん練習した日本語学習者のひとが、実際の雑談の場になったときにこのパターンに具体的な言葉を代入することで発話を産出できるのだろうか?と疑問にもなる。
まぁたぶんそのへんが、言語学の人たちによる会話分析と自分との距離なんじゃないかなと。