通勤電車でさらっと読んだ『「ひとり会議」の教科書』。GTDにひとことも言及してない。

1日10分であらゆる問題がスッキリする「ひとり会議」の教科書 (Sanctuary books)

1日10分であらゆる問題がスッキリする「ひとり会議」の教科書 (Sanctuary books)

物理的に薄い本だし、イメージイラストが大きくたくさん入れてあり、イメージイラストだけのページもたくさんあり、章や節の扉はいちいち贅沢にページをとり、文字の書いてあるほうのページも贅沢に上下の余白を大きく取り、そして文字のぶぶんを読むと、わかりやすーく噛んで含めるようにわかりやすーく書いてあるし、まぁこのへんの本をあれこれ読んでいる者にとってはそれなりに既視感のあることが書いてあるのでそこは読み飛ばすと、あっというまに読み終わる。表紙のイラストには「不安とさよなら」とか書いてあって、なにしろ現代人はあれこれやるべきことがあるのでいつも頭の中に未解決の案件が常駐していてそれが不安の元になるので、この本で紹介されている「ひとり会議」(という言葉を商標登録している旨、この本の表紙にはシールで、わざわざシールで貼ってあるのだが)をやれば「不安とさよなら」できるよ、という次第。それで、本の帯に「問題解決の4ステップ」というのが書いてあるのだけれど、

いま直面している問題をすべて書き出す

それぞれ「どうなればいいか?」と質問する

それぞれ「どうすれば、そうなるか?」と質問する

それぞれの答えをスケジュール帳に書き込む

とあり、その下に「ごちゃごちゃした頭の中を交通整理」と書いてあって、それがすなわち「不安とさよなら」なのである。まぁね。
でまぁ、そうすると、この4つのステップの真ん中のふたつが独自性ってことかもだけれど、全体の流れと発想はGTDを強く連想させる。なんだけれどふしぎなことにGTDにひとことも言及していないし巻末の参考文献リスト(何冊もあげてある)にもGTD関連の本は見当たらないような気がする。
まぁ、これは「ひとり会議」であって「GTD」ではないのだからGTDに言及する必要はないのですということなのだろうし、まぁ、うるさいことをいわなければ、学生さんなんかが真っ白な心で読めば読みやすくスッと入ってくれるかもしれない(たしかに学生さんに勧めるにはGTDの本はあれこれしんどい)。まぁ、仕事がサクサクと片付くという趣旨の本なのだから、読むのに難渋するのは矛盾じゃんというわけかもしれないし、あっというまに読み終わったら、さっそく仕事がサクサク片付く能力が発揮されたような錯覚で自己効力感が高まるかもしれない、という本。