通勤電車で読む『現代暴力論 「あばれる力」を取り戻す』。

『はたらかないで、たらふく食べたい』の人の本をまとめて買ったのでしばらく読んでいる。これは新書本で、まぁしかし学生さんには特には勧めない(とはいえ、買ったのは共同研究室蔵書としてなので、学生さんが読むなら読んでくれたまえということなのだけれど)。内容的には、まぁ他の本に書いてあった大杉栄伊藤野枝の話が重複して出てくるところもあり、たぶん未読のほかの本と重複している部分もあるかもだし、全体としてコンパクトにまとめて書いてあるという印象はあるけれど、アナキズムからテロリズムのはなしにまで射程を延ばして書いているところは、タイトルどおりちゃんと現代暴力論を論じているなあという感じはするし、冒頭のエピソードの、デモ主催者のいやなかんじを念頭に置きつつ読みすすめると、意外にちゃんと著者の人の言いたいことの気分は分かる気がしてくる。読者にテロリストになれと勧める本ではないけれど、そこで暴れてる人たちぃー、暴力は良心的にやってるみんなの迷惑だからやめてくださーいとか言う連中といっしょになりたくないという気分は分かる気がしてくる本、というかんじ。