『ビデオによるリフレクション入門』。学生さんの卒論に関係あるかなと思って。

ビデオによるリフレクション入門: 実践の多義創発性を拓く

ビデオによるリフレクション入門: 実践の多義創発性を拓く

学生さんの卒論で、活動を録画して細かく見てみる的なものが出てきて、今年もいる。それで、積読になりかけてたこの本を引っ張り出した。今年出た本なんだけど、ビデオを使ったふりかえりについて概説したあとに、振り返りに使いやすいように開発した「ビデオ分析ツールCAVScene」「デキゴトビデオ」の紹介、そして、それを活用したカンファレンスの紹介とか、あと著者たちの鼎談とか。もう少し事例紹介に踏み込んでくれるとよかったと思うけれど、そこはまぁ入門書なんで、「じぶんたちでビデオ回したいな」と思わせるところまでが主たるお仕事の本なんだろうからオッケーだろう。
だいたい、ある活動をビデオに撮って、見直すとだいたいいろんなものが見えてくるわけで、自分が気が付かなかったものがいろいろ見えてくる。で、たとえば保育士さんが保育園の活動を撮って見直すとして、
たとえば「自分はこういうつもりでやっていたのに実際はできていなかった」が見えるかもしれない。そうすると、反省会みたいになって、「実際」を「理想」に合わせるにはどうしたらいいか、というふりかえりができるかもしれない。
あるいはたとえば「自分は気が付いてなかったけれど、子どもたちはこういうおもしろいことをやっていたのだ」が見えるかもしれない。この本はそんな感じ。そうすると、「大人が気付けない子どもたちの独創性のすばらしさ」みたいな議論とか、まぁたとえばポリフォニーがなんとかとか、そんなかんじのふりかえりになるかもしれない。
でまぁたとえば、会話分析とか相互行為分析だとさらにもう少し手前の、活動そのもののなりたちみたいなのが見えてくるかもしれない。
まぁ、どこに目をつけるか、というのは、ケースバイケースってのもあるかもしれない。
さて、
「CAVScene」については、かなり以前にすでに、五十嵐先生が以前のブログで紹介しておられた、けれどそのときから比べたら当然ヴァージョンアップされてるだろうけど。
[研究ネタ]CAVScene使用レポ - 五十嵐研究室〜ゼミや講義の記録〜
「デキゴトビデオ」については、「WSDgadget-Researcher」というアプリに統合されて?るのかな?
‎WSDgadget-Researcher on the App Store