通勤電車で読む『コンサルタントの秘密』。10分の一の分量で書けないものか。

例によってTwitterで、名著であるということだったので、読んでみた。うーん、著者の人はコンサルタントであってその秘密を伝授するというテイの本なのだけれど、なんかいちいちぜんぶアメリカンジョークじみたたとえ話 - この「ハトスカイの法則」については私の友人がひいきにしていたハトスカイ漬物店の福神漬けの話をするのがいいだろう、それはある日… みたいな - で書かれているので、とりあえず10分の一の分量で理屈のところだけまとめて書きなおしてくれないか、という気持ちになる。なりませんか。それでかんじんの内容はと言うと、自分的には、たとえばクライアント中心療法とかゲシュタルトセラピーとか家族システム療法とかのカウンセラーの心得の本とか、精神分析とか、ファシリテーターとか、教師とか、ケアワーカーとか、有能なプロジェクトマネージャーとか、ライフハックの名人とか、そういう人たちの本とかで読んだことあるようなことかなあ、というかんじ。何かわからないことについて調べたり考察したりして明らかにする、という種類の本というよりは、なにかをうまくやるためのハウツーとか心構えとか、そういうことが書いてある。で、コンサルタントというものじたいが、クライアントの活動に影響をあたえる役割で、ところがクライアントの活動そのものが、すでにそれなりに回っているものであるわけだから、コンサルタントがああしろこうしろと言ってそれがそのまま実現されるかというとそうはならなくて、既に回っている活動のシステムに何らかの働きかけをしてそのシステムがそのシステムなりのやりかたで何らかの変化をする、というぐあい。じゃあ、望ましい方向での変化がおこるにはどうすればいいのか(あるいはなにを期待できるのか、そもそも期待するのが間違ってるのか、とか)、たとえばそのへんは家族システム療法とかファシリテーターの本にも書いてあるような気がする。コンサルタントの報酬については、精神分析の重要な要素が治療の料金であって、たとえばNHK語学講座がその内容にかかわらずなかなか効果があがらないのは無料だからである、みたいなおはなしとしてそういうのもどっかで読んだような気がする。そんなかんじで、まぁ書いてあることを要約してしまうとあれやこれやの本で見かけたようなことのように思えるけれど、まぁ、自分はそういう隣接領域のあれこれの本をぱらぱら見てからこの本を読んだからありがたみが薄れたのかしらとか思いつつ。