『「百合映画」完全ガイド』。百合映画とは。

表紙がわるくない。志村貴子なのだそうだ。新書だけれど、二段組みのようなかたちになっていて、見開きに4枠、基本的に4本の映画が紹介されている。日本編、海外編、アニメ篇、ということになっていて、公開年順に紹介されてる。活字がちょっと小さくて目を凝らしながら読む。で、それぞれの評が、「私たちは、この本を単なるバイヤーズガイドにもしたくなかった」「この本の紹介文はおおむね、すでにその作品を見た人が、同じくすでに見た人に向けて語るような態度で書かれている」という。そうすると、本書に取り上げられている映画をほとんど知らない自分としては、なんかこう入っていけないかんじはいなめなかった。あと、本書で取り上げる映画は、いわゆる「百合映画」だけでなく、むしろふつうはそう捉えられてはいない作品をそういう目で読むという「ほとんど妄想的」な捉え方によるものもあるということで、まぁそれはそれでいいのだけれど、そうすると百合映画そも何ぞやを掴めていない人間からすればよりいっそうわからないという面はある。ひたすら尊い映画ばかり300本ならべて気持ち悪くニヤニヤする本なのかと期待して読んだらそうでもなかった。