通勤電車で読む『土葬の村』。

土葬の村 (講談社現代新書)

土葬の村 (講談社現代新書)

これはHONZだった(https://honz.jp/articles/-/45949)。レビューを見て、日本でも比較的近年まで土葬の習慣が残っていた、ということを知り、そして本書で描かれているのが、あちこち、なんか意外に聞いたことありげな地域だというので関心を持った。勤務校からすれば意外に近いというか、市町村名だけでいえば行ったことありげっていうか。
そういえば、むかし、まだ若かったころの卒論学生さんで、「死の準備教育」みたいなテーマだったときに、まぁ20年以上前だったんだけど、とりあえず葬送儀礼とか実際のところを調べてみたらどうよ、みたいなことを言って、まぁ卒論はおもしろいものができたわけでよかったんだけれど、へえと思ったのは、彼の田舎のほうではまだ土葬だっていうことで、夏休みに話を聞いてきたとか言ってたこと。それが20年以上前。で、そのご20年以上たって、あらためてこの本(は、彼の田舎とは別の地域についてあつかっている)。近年、伝統的な土葬の風習は急速にすたれているということだけれど、まだそれらの村で伝統的な葬送を行っていた(る)人に具体的なことを聞き取りしているこの本は、なんていうか、通勤電車で読むには重たかった。のだけれど、理屈のところだけ拾うと、20年前の彼の卒論をあらためて補強するというか、あらためてやはり彼の卒論いい線いってたなという気にもなった。