『シャーク・ナイト』みた。これはサメより殺人鬼のほうが怖いというサメ映画。

つんどくのブルーレイを見ていたら、『シャークトパス』シリーズ6作品といっしょに録画してあったサメ映画をみつけた。こんなの録画してたのか、というわけでサメ映画の流れで見た。でまぁ、タイトルからしてサメ映画だということは分かるわけだし、まぁなんなら見る前に(あるいはたぶん録画予約する前に)検索して概要も確認してから見るぐらいであるのはそうなのだけれど、しかし、タイトルの音楽とともに妙に赤い色の濁った水の中で若者たちがサメにがぶがぶ食われる場面とかハイライトっぽく見せてくれると、え?これから見るんですけど?まぁ見なくてもわかるんですけどでも、という気にはなる。ともあれそういうあれでいえばサメ成分は(というとサメの軟骨成分のサプリみたいに聞こえるな…)多め。大学生の男女グループ(女子が飼い犬を連れてくる、というのもお約束なのか?)が週末に田舎の湖畔の別荘(ヒロインの故郷にあって、大学進学以来3年ぶりに地元に帰るのだった)に泊まって盛り上がろうということで、モーターボートを乗り回したりウエイクサーフィンやったりワイワイやってたらいきなりサメがやってきてがぶっと腕を食いちぎられてさあ大変。電話も通じない、スマホの電波も届かない奥地の湖なものだから、助けも呼べない。で、けが人を乗せてモーターボートをすっ飛ばして人里まで行こうと思ってたらこんどは女子がボートから水に落ちてそのままサメに食われる。おまけにサメから逃げようと思ったらエンジンだかなんだかが焼き切れて操縦不能になりもとの別荘前の陸に乗り上げ大破。というわけでとうとう孤立してしまう、というところまでが前半。で、ヒロインの地元の元カレが今はゴロツキみたいになってて、それが船でやってきて、これ幸いと助けてもらおうと、男女二人が助けを呼ぶために船に乗り込む。ところがじつはその元カレがやばいやつで…みたいな。でまぁ、そうなると、サメが怖いというよりやばいやつが怖いというお話になっている。サメ成分そのものは多くて、サメシーンはよくできてるのだけれど、サメ映画って、サメがやたらがぶがぶ人を食べるのを見る映画だったっけというのがある。そういうスプラッタホラー的な見せ場よりは、もうすこしハラハラ感みたいな、水に足が浸かっているだけでぞわぞわするようなかんじを見たいんじゃないかなあと思う。でもまぁうるさいことをいわなければ怖くて面白いサメ映画。
あと、やはりヒロインとやばい元カレのくだりがアメリカ学園映画的な味わいがあって、ヒロインはたぶん地元ではそこそこ裕福な家の娘で成績もよくてハイスクール卒業後は地元を捨てて都会の大学に行く。元カレはハイスクールで王子のようだったんだが地元に残ってあれこれあって今はあきらかにやばいアル中の相棒といっしょにやさぐれたダイバーをやってる。ヒロインが3年ぶりにカレッジの友達グループを連れて地元に帰ってきて別荘でわいわい盛り上がろうみたいなときに元カレと再会するやばさがやばいわけで残酷みがある。学生グループが湖畔でワイワイみたいな設定だけ見ると『レプティリア』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2021/10/03/182131)もそうだったよなと思うけれど、あちらよりもこちらの大学生のほうがちゃんとそれなりにまじめで、授業を受けたり、大学院を受験したり、好成績が条件の奨学金を受けてフットボールの選手で活躍したりしてる。無軌道な若者たちがアーパーな乱痴気騒ぎをやってアホな行動をとってるうちにつぎつぎとサメだかワニだかに食われます、みたいな話なら気軽なパーティー映画として見れるんだが、どうもそんなかんじでもないわけである。