通勤電車で読む『ひらめかない人のためのイノベーションの技法』。いささか雑だったかな。

『自分の頭で考えて動く部下の育て方』の著者の人のをつづけて。著者のひとはそもそも、農学の研究者のひとであるらしく、すごい技術を開発したりしてる人であると。でも自分はひらめくタイプの人間ではない、そんな自分がこうなったのだから、その秘訣を伝授して進ぜよう、という構えの本。であるのだけれど、じゃっかん雑だったかなあと。えーとたとえば、「ソクラテスの産婆術」を(前の本でも)勧めてるけど、『メノン』というのは、

数学の素養のないソクラテスが、やはり数学の知識のない友人宅の召使を呼び、図形を前にして質問を繰り返した。召使は質問されるがままに「こうじゃないですかね」と答えるうちに、誰も発見したことのない図形の定理を見つけるシーンが描かれている。
(...)
無知な者同士が、問いを重ねることで新たな知を発見する。これがソクラテスの得意とした「産婆術」だ。

という紹介の仕方でいいんだっけ…?と思うわけだし、
山本五十六の「やってみせ…」には続きがあって

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

というのは、確信は持てないけれどなんとなくネットミーム化した自己啓発系ガセのような気がするし…
たしかに検索すると出てくるんだが…
山本五十六「やってみせ」(全文) 格言クリアファイル 大和ミュージアム関連グッズ販売店 - 戦艦大和ショップ
おなじように、
「群盲象をなず」の話にも続きがあって…とか、「「結節点」を牛耳るべし」と言うけどそこで言いたいことを表す言葉は「結節点」でいいのかなあとか、まぁそんなかんじで、まぁ、なんていうか、なんか雑じゃないかなあ、という気がするんである。
前の本は、まぁ序文のあたりはしょうじきこんな感じがけっこうあったけれど具体的なエピソードとかがでてきたあたりからはおもしろいところもあったんだが、本書は、けっこう全編にわたってこんなかんじなので、うーん、というかんじだったわけである。