通勤電車で読んでた『イラストでわかる対人援助職のためのコミュニケーションと面接技術』。動機づけ面接をベースにした福祉系のテキスト。

動機付け面接(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/01/25/002506 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/01/30/212548 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/02/15/234944)の本を読むシリーズ。これは最初のあたりとくに印象がわるくなかった。タイトルにそう書いていないように、動機づけ面接の看板を冒頭からありありと出しているわけではないけれど、内容としては動機づけ面接のポイントを一つ一つ追いながらコミュニケーション術を説いている。当たりも柔らかい感じで、これはいい本だなあと思っていたわけである。しかし、本の中間部にあたる第2章で、福祉の現場などを舞台にした短い会話例によるケーススタディ(NG例とOK例と解説)を見ているうちに、なんだか印象が曇ってきた。「支援に消極的なクライエント・家族」を支援につなぐ、とかの例はまだいいとして、「クレームの多いクライエント・家族」にうまく施設の規則を受け入れさせるみたいな例だと、なんかけっきょくクライアントの要望を聞くふりをしててきとうに満足感を与えておいてけっきょく何もしないための話術みたいに見えるものもなきにしもあらずじゃないかと見えてきた。なんか岸田某が連発する「ご理解をいただけるよう丁寧に説明していく」みたいなもんじゃないかと。まぁいったんそういうふうに見え始めちゃうとね。でまぁ第3章で、ようやく「動機づけ面接」というワードと考え方が紹介されて最後に種明かし。まぁ、総じて当たりの柔らかい、読みやすいいいテキストだとは思う。