自分むけにCOVID-19関連について現時点でどう考えることにするかをまとめておく。(その29:9/1-)

月も変わったし、ページを改める。先週の時点では、全国的にピークアウトの気配だったのがお盆休みでまた上昇、さてここからどう動くのでしょうか、というところだった。
答え合わせ。

まぁ、全国で言えばそれなりに上昇、やっぱりね、というかんじ。ただし地域で見ると、上昇は東日本に偏っているようにみえる。そこに東京が含まれてるので、たぶんメディアは余計めに騒ぐんじゃないかというのは地方の人間のひがみですかね。
淡々と札幌医大サイトから数字を。
全国平均は598.2。奈良は少し下がったが全国1位1125.0人。東京が658.1人で上昇。大阪がちょっと増えて402.5人で京都がちょっと減って379.5人、このあたりは最下位から4番目と3番目。兵庫が増えて812.0人。ちなみに鳥取はちょっと減って5位陥落で896.5人。おとなり島根も減って512.0人。

9/4.
西浦先生のインタビュー記事。
naokoiwanaga.theletter.jp
naokoiwanaga.theletter.jp

9/10.
第9波の感染者数は例によって全国ではそれなりに増加、おおまかにはたぶん東日本にかたよっていて、このたびは西日本でも増加している数字は出ているけれどそれは微増っていうイメージ。大まかな印象がかわらないのでデータは省略。
さて、変異株「BA.2.86」についての佐藤先生のインタビュー記事。
naokoiwanaga.theletter.jp
まぁ、たくさん変異しているし世界各所で同時的に見つかったのがびっくりだよ、伝搬力(人から人にうつる力)はそれなりに大きくなっている、感染性(ウイルスが人の細胞に入り込む力)はかなり低そう、免疫抵抗性は、「中和抗体」というのでみると今までのワクチンは効果を示さない(これは現行のEG.5.1でも効果がない)、でも「細胞性免疫」というのは調べられてないからわかんなくて、

気をつけていただきたいのは、「中和抗体」が効かないだけで、ワクチンが効かないことを示す結果ではないことです。

ワクチンによって獲得される免疫は、「中和抗体(液性免疫)」だけでなく「細胞性免疫」もあります。「細胞性免疫」については我々が調べていないだけです。

ワクチンを何のためにうつのかを考えると、基本的に重症化を抑えるためのものです。そして、これまでの経験から、細胞性免疫は武漢株のワクチンによるものでも、2価ワクチンによるものでも、基本的にどのウイルスに対しても重症化予防効果を示しています。BA.2.86に対しても、重症化予防効果はあると思います。

今月20日からXBB型のワクチン接種が始まります。このワクチンも重症化予防効果はあると思いますし、うたないという選択肢には意味はないと思います。

だそうです。まぁね。
で、きになる「病原性(症状の強さ)はというと、現状の感染者の情報からするかぎり、特に重症度が高いという報告はないよ、それもあってWHOの危険度位置付けは、いまんとこ3段階の一番下だよ、ということのよう。
で、
すくなくとも現時点では、変異株「BA.2.86」の心配をするよりは、げんにいま広がっている「第9波」のほうがずっと心配優先度が高くてちゃんと対応すべしである、と。御意ですね。

9/15.
金曜なので感染状況のデータが出たけど印象はあまりかわらないかな。なので数字は省略。
医療記者岩永氏のニュースレターで、尾身先生、岡部先生と武藤先生の記者会見での総括が紹介されてる。
naokoiwanaga.theletter.jp
naokoiwanaga.theletter.jp
naokoiwanaga.theletter.jp

9/23.
そうそう、9/22付で発表されたデータ(9/17現在)で、ようやく全国的に減少傾向になって、まぁピークを越えたけはいが本物っぽくなってきた。全国平均は550.1。奈良はまた少し下がりつつあいかわらず全国1位1022.1人。東京726.5人。大阪421.7人で京都466.0人。兵庫870.0人。ちなみに鳥取は10位まで落ちて651.4人。おとなり島根は459.0人。

9/24.
尾身先生のインタビュー記事。本が出るのでその宣伝のようですね。これも買うべしですな。
gendai.media
https://news.yahoo.co.jp/articles/66dfafeed1de1f7f11e6def011f6394cd99998d9news.yahoo.co.jp

10/2.
ノーベル生理学・医学賞 ペンシルベニア大学 カタリン・カリコ特任教授(68)とドリュー・ワイスマン教授(64) 新型コロナウイルスワクチンに欠かせない技術を開発」
https://news.yahoo.co.jp/articles/928592e64b3b6bb84524b5623d350f6b744b5888news.yahoo.co.jp
いやしかし、さいしょにコロナのワクチンの話が出た時にはかなり懐疑的だった( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2020/09/13/205206 )けれど、その後、続報および解説記事を読んでかなりすごいことだと思い( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2021/01/02/090710 )、そしてなによりたぶん実際にコロナ禍のゲームチェンジャーになったということを勘案すると、ノーベル賞はあたりまえそのぐらいではたらないぐらい、と思っていた。
あとたしかこのカリコという人はなかなかのドラマティックなやりかたで現在にいたっているのだよという話だったと思う。そのいみでもノーベル賞はよかったなと。
ja.wikipedia.org

10/6.
金曜日なので感染者データが発表された。第9波は収まる方向性に。とはいえまだ山を半分ぐらい下ったところという言い方はできる。ていうか感覚がマヒしているけれど、全国平均 10万人当たり276.9人 は、以前の指標で言えばアホほど高いわけである(ステージ4の10倍ぐらいですね):

政府分科会の旧指標(2021年4月15日~11月7日):7日間の新規感染者数が100万人当たり150人を超えるとステージ3,250人を超えるとステージ4

ともあれ数字を。全国平均はそういうわけで276.9。奈良はあいかわらず全国1位548.7人。2位が兵庫で516.8人。東京320.6人。大阪227.9人で京都234.2人。ちなみに鳥取は全国平均を下回って275.6人。おとなり島根はブービー賞で176.5人。でも、繰り返すけど最下位秋田の142.6人でも2年前の指標で言うステージ3の10倍だからね。
あと、いつもデータを見ている札幌医大のページ(https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan_estimate.html?s=y#date)の下部にあるコメント欄で、それぞれ専門家なのかな?というひとたちがやり取りしてるのに気づいた。で、ちょうどここ数日、

受診率が低下して、感染者の検出率(市中感染者の中から、感染者としてカウントされる割合)が、この春以降、かなり大きな割合で低下しているのでは

という件についてやりとりがあったみたい。で、細かい計算はもちろんわからないけれど、一つの解釈として、試しにぱっと試算した数字として、だいたい1/20みたいな数字が出されていた。いや、ないはなしではないなあと。
いちおう自分的には、ここではずっと、コロナの最初のころの捕捉率がだいたい1/10ぐらいだった、というはなしをもとに、「人口10万人当たり」の数字から計算するときも、仮に1~10ぐらいの数字を掛け算して考えていた。で、いまげんざい、当時よりもむしろもっと捕捉できてないといわれてもそれはそんなもんかなと思うし、感覚としてしっくりくる数字だと感じる。

10/19.
西浦先生のTweet。スレッドで。
2021年予防接種が<もし>なかった場合のシミュレーションが論文で公開されたよと。


ギリギリのタイミングだった、と。こういうデータ分析は、うまく生かされれば社会の感染対策に影響を与えるはずなんだけど、なかなかそういうふうにも行かずに、かなりきわきわのところを来てたんだよというおはなし。
まぁ、こういう「反実仮想」などというのは、しょうじき世間的にはほんとに理解されないだろうからなぁ、こういう研究をしながら世間からは嘘つきだの人殺しだのと攻撃されるのはきついだろうね。

10/28.
昨日付のデータを貼り付けておく。いちおうまだ下がりつつあるけれど思ったよりちょっとはやく下げ止まりつつあるように見えなくもないのが気になるところ。全国平均はそういうわけで101.9。奈良は全国4位に下がって161.3人。1位は兵庫で205.4人。東京95.6人。大阪82.1人で京都87.1人。ちなみに鳥取はまた全国平均を上回って120.4人。おとなり島根は62.7人でビリから3番目。ずっと見ている山陰両県ではあるけれど、当初はピンポンのように一方で感染者が増えるともう一方に広がるみたいな関係に見えてたけれど、このところずっと鳥取と島根で差がついているように見えるのはなぜかしら。
あと、札幌医大のページの下部のところのコメント欄での専門家っぽい人たちのやりとりをぼんやりと見ていて、まぁ基本、わからんことが議論されているのだけれど、ようするに現時点での湯加減みたいなものについて、なんとなく感じられないかと思っている。つまり議論の内容はわからないけれどやりとりの切迫感?というか?を文系的嗅覚で感じ取るというか。

11/7.
連休明けの月曜にデータが更新された。全体の雰囲気は「はやくも下げ止まりつつある」であり、県によって「再上昇がはじまったかも」の気配もあるかんじ。やだねえ。大きく見れば、現時点ではインフルエンザの流行の方を警戒すべきなんだろうけれど(身の回りでもインフルの方の声をよく聞く)、ここでコロナが早くも再上昇したらほんとやだね。全国平均はそういうわけで89.7。奈良はねばって全国3位の148.6人。兵庫は2位で149.0人。トップに躍り出たのは再上昇176.5人の北海道。東京83.4人。大阪59.1人で京都60.7人。ちなみに鳥取は再上昇6位で143.6人。島根は52.1人であいかわらずビリから3番目。

12/1.
データ更新。インフルが警報レベルで流行しつつあるなか、コロナの方も全国的に再上昇である。あーあ、凪の期間は短かったなぁ…。

とはいえ、このまえここに書いた11/7から実際にはもうしばらくだけ全国的にはわずかずつ低下して、今回の再上昇なので、11/7よりは少ない値にはなってる。このあたりが底だったという記念に書いておくか…。全国平均は73.1。奈良は112.5人。兵庫は全国2位で124.7人。東京70.6人。大阪52.3人で京都55.3人。ちなみに鳥取はまた全国平均を上回って87.0人。おとなり島根は51.2人。

12/2.
そうそう。コロナのワクチンの注射は、以前のような職場で集団接種というのはもうやってなくて、自分で予約すべしになっていてそれが持病がないので9月以降かなんかではあったが打てるようになってたんだが、状況(つまりちょうどこの記事の期間ぐらい)を睨みながら、たぶん9月にすぐ打っても感染状況が収まっているころにいちばん効き目が強いみたいなのは損かなあ、と考え、たぶん次の山が年末年始ぐらいにくるであろうという大胆予測のもと、12月に入ったころに打ったらちょうどいいかなと心づもりしてた。で、ぼちぼちコロナの注射をしてくれる病院を検索したら近所のかかりつけのお医者さんがやってくれるってことで、予約の電話を入れたら、ちょうど空いているところに予約できたのでひとまずよかった。それで予定通り注射ができたとして、しかし、感染の再上昇のほうまで予測が当たるのもどうだかなぁと思っているところ。
あと、インフルの注射も打っておくべきですね。実はこれは昔からけっこうさぼってる年のほうが多いのだけれど、考え方からすれば打っておくべしになるだろうね。ただし、コロナとインフルとを同時に打つのはよろしくないということで、それについては以前、丼先生の説明を読んで納得したわけである。べつに二つのワクチンそれ自体が相互干渉するとかそういうことではないのだけれど、まぁ万一ということで、アレルギー症状とか出た時のことを想定すると、二つを同時に打っていたらどちらの注射のどの成分がアレルギーを引き起こしたか判別できないので、その結果、なにかあったら最悪、今後、両方の(広い範囲の)注射を使うことができなくなる、みたいな話だったと思う。なるほど。なのでインフルはまた別の機会に、しかし今年は打っておこうかなあと思っているしだい。