通勤電車で読むマンガ版『居るのはつらいよ』。普通にマンガなコミカライズ版。

『居るのはつらいよ』のマンガ版が出ているのに気づいて読んでみた。帯に「話題の”学術書”をコミカライズ!!」とあるように、これはいわゆる「マンガで読む」的なやつではなくて、医学書院のシリーズ・ケアをひらくの『居るのはつらいよ』を原作としたコミカライズ版。まぁ、そんなことができるのは、もともとの『居るのはつらいよ』がほぼほぼエッセイというか私小説的な書かれ方をしてるからで、まぁ、そういう意味では”学術書”っぽくないからやりやすかったということでもある(どうせ学術書をコミカライズするなら『まんがで読破 職業としての学問・政治』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20130327/p1)ぐらいものすごいとまた別の味があるわけだけれど)。東畑本(https://k-i-t.hatenablog.com/search?q=%E6%9D%B1%E7%95%91)はけっこう読んだわけだけれど、やはり出世作のこの本が一番私小説的でコミカライズしやすそうではある。なので、原作と付き合わせて読んだわけではないけれどたぶんそのままのエピソードがマンガで描かれていて、心理っぽいテイストもだいたい同じぐらいの温度感で、それでとくに心理学の解説をするでもなくふつうにマンガである。なのでこの本のよさはたぶんこの漫画を描いている人のよさなのだと思う。あとがきによると、担当さんが『居るのはつらいよ』のファンで、コミカライズを提案してくれたそうだ。こういうの好きな学生さんにはすすめやすいと思う。まだ連載中ぽいので続刊を楽しみに。