通勤電車で読む『100のワークで学ぶ カウンセリングの見立てと方針』。これはカウンセラーじゃなくても勉強になるよいテキスト。

心理カウンセリングというのもいろいろあって、行動療法もあればユング派もあれば来談者中心両方もあればまぁいろいろある。でもいずれにせよ、クライアントさんと会って話を聞いてカウンセリングをするよというのはだいたいおなじで、しかもカウンセラーは、話をしっかり聞くだけでなく、そこから「見立て」を行うし、それにもとづいて一定の「方針」のもとにカウンセリングを行う。個別の理論やら手法やらはいろいろだけれど、「見立て」をおこない「方針」をたてるということは共通しているわけで、そのぶぶんは共通の専門的能力ともいえる。で、心理学的な「見立て」を行うためには、クライアントの話を聞くにしても何と何を落とさずに聞くべきかというのはあるし、そこから組み立てる「見立て」そのものも、あいまいなままではだめで、クリアに分節された観点から組み立てられてるべしである。というわけで、本書は、簡単な例をあげながら、そのケースのその情報をどのように分節して理解し、何を確認し、どのように「見立て」を組み立てていくか、ワーク形式で練習していくという、ベタに勉強になるテキスト。で、そういうのはカウンセラーだけじゃなくても、たとえば教師だって生徒の話を聞いてそこから「見立て」をおこなうということはあるわけだし、まぁ言ってみれば人の話を聞いたりするしごとであればなんだってこのような場面は出てくるわけで、つまり多くの人に勉強になるよいテキストだと思う。