中国:肥満や生活習慣病が深刻化、ダイエットに人気/『スーパーサイズ・ミー』

http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/medi/344693
nikkeibp 2004年11月22日 03時00分

中国では豊かな食生活のため肥満人口(標準体重超過者から肥満患者までの人)が急増している。ファストフードや高カロリーの菓子を好む子どもの肥満も増えており、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の患者数もこの10年間で急速に増えている。
中国衛生部によると現在、中国全土における成人の肥満率は7.1%、大都市では12。3%で、02年末時点で、中国の肥満人口は2億6000万人に膨れ上がったことが明らかになった。
都市部では、庶民の栄養状況が著しく向上し、栄養不足やそれにともなう疾病は大幅に減少した半面、栄養バランスの偏った食生活を送る人が増え、それが生活習慣病の発症率や肥満率を大幅に増加させる一因となっているが、肥満率の増加は実は中国の伝統的な食習慣とも深いかかわりがある。中国では、宴会や客をもてなす時にその親切さを表すため、大皿に大盛りの料理を食べきれないほど並べる習慣がある。また、中華料理自体にもいため物、揚げ物など高カロリー・高コレステロールになりがちなものが多く、これも肥満の原因となっている。
近年は子どもたちの間にも「小胖子(肥満児童)」が目立って増えており、親たちの悩みの種となっている。これらの肥満は食事療法と運動で解消するほかなく、親は子どもたちに低カロリー・低脂肪の食事を食べさせる上に、適度な運動をさせる必要がある。
こうした背景の中、現在中国ではダイエットブームが起きており、フィットネスクラブやエステティックサロン、健康料理レストランが人気を博している。
北京では近年、会員制のフィットネスクラブ、スポーツジムなどが増えている。トレーニングとエアロビクスを中心にしたジムで、個々の体力や体型、年齢などに応じて適切なメニューを組んでくれるため、10代から60代までの幅広い年齢層の会員がいる。ダイエットクラスでは食事療法も指導しており、夏休みなどの長期休暇の時期には中高生の会員も多く見かける。このようなマシン・トレーニング施設のほかに、美容とリラクゼーションを目的としたフローラル・バスなども登場している。また、自宅で運動できるフィットネス商品なども人気だ。
肥満解消も楽ではない。
(週刊チャイニーズドラゴン 11月16日)

すぐにおもいだすのは、「マクドナルド訴訟」というやつ。
マクドナルド訴訟悲喜こもごも」(雇われ留学生見聞録)
http://homepage3.nifty.com/shin_homepage/Essays/essay_sep_9_2003.htm
「今日の日経を題材に法律問題をコメント」(土居総合法律事務所HP)
http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/month?id=61325&pg=200310

2003年10月14日(火) ハンバーガーの食べ過ぎによる肥満はマクドナルドの責任?

 昨日の日経(H15.10.13付)7面に、「病む世界、病む子供」という連載コラムで、ニューヨークの子供が「ハンバーガーの食べ過ぎで肥満になった」としてマクドナルドを訴えたマクドナルド訴訟の背景について書いていた。
 このマクドナルド訴訟は、弁護士が一儲けをたくらんで起こした訴訟かと思っていたが、記事によれば、そうではないようである。
 アメリカでは子どもの肥満が社会問題になっており、肥満の原因として、学校にファーストフードが進出していることが挙げられている。
 1980年代から、学校は財政難から、一定の契約料を取って、外食産業が学校に出店することを認めた。その結果、朝昼晩マクドナルドという子どもたちが出てきているそうである。
 また、肥満が貧困層に多いことも指摘されている。
 訴訟は、子どもの肥満が、社会の経済現象であることを訴えることを目的としたものだそうである。
 訴えは棄却になったけれど、子どもの肥満の問題をアピールすることには成功しており、その意味では目的は達成したといえる。
 日本でも子どもの肥満は問題になりつつあるが、日本で同様に子どもがマクドナルド相手に訴訟したらどうなるだろうか。
 子どもが訴えるといっても、実際には親が法定代理人として訴えることになるのであるが、恐らく、マスコミは、その子どもの親は、親の責任を棚に上げて人のせいにするとんでもない奴だという論調になるのではないだろうか。
 なんでも訴訟にするアメリカの司法文化には違和感があるが、訴えたことを非難する傾向のある日本の司法文化もいかがなものかと思う。

で、ちょうどきのうの朝日新聞でも紹介されていた映画『スーパーサイズ・ミー』。マクドナルド訴訟にヒントを受けたと書いてあった。
http://www.flix.co.jp/title.jsp?tid=T0002530

スーパーサイズ・ミー
公式サイト:http://www.supersizeme.jp/

チェック: 監督自らが実験台となり、1日3食1か月ファーストフードだけ食べつづける食生活ドキュメント。プロデューサー、監督、被験者の3役をこなしたモーガン・スパーロックは、コマーシャルやテレビ制作で活躍し、これが初監督作品となる。ファースートフードに関する綿密なリサーチも盛り込まれているので要チェックだ。

ストーリー: 肥満症に悩む女性2人がその原因をファーストフード店のハンバーガーにあると訴えた報道を見たモーガン・スパーロック(本人)。彼は自らが実験台となり、1日3食1か月間ファーストフードだけを食べ続けることを決意する。

英題: SUPER SIZE ME
製作年: 2004年
日本公開: 2004年12月25日
(シネマライズ 他)
上映時間: 1時間38分

■スタッフ■
監督: モーガン・スパーロック
プロデューサー: モーガン・スパーロック/ザ・コン
エグゼクティブ・プロデューサー: J.R.モーリー / ヘザー・ウィンター
撮影監督: スコット・アンブロジー
編集: ステラ・ジョーエヴァ / シュリー・“ボブ”・ロンバルディー

■キャスト■
モーガン・スパーロック
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