アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き
- 作者: Esther Derby,Diana Larsen,角征典
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 単行本
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書名だけ見て、てっきり、「アジャイルなレトロスペクティブのやりかた」が書いてある本だと思っていて、レトロスペクティブってのがたぶん「ふりかえり」のことなんで、この本は、チーム仕事を運営していく上でふりかえりを効果的にやるやり方が書いてある本で、そのキーワードが「アジャイル」ってことなのかー、
と先入観を持ってたわけで、
つまりこの本は「アジャイル」というキーワードを説明するための本なのかと思っていたら、
読んでみたら、
「アジャイル」におけるレトロスペクティブのやりかた、
が書いてある本で、
つまり、「アジャイル」ありきで書かれているので「アジャイル」そのものについての説明は一行もないのであった。
で、アジャイルって何?
とそのへんを深く考えはじめると、じつはたぶんだめで、そのへんのカタカナ業界単語をいくつか読み飛ばすコツを呑み込んで読んでいくと、この本じたいは役に立ちそう。
はてなのキーワードになってるのだけど、どうやらアジャイルというのは、ソフトウエア開発のやりかたっていうかプロセスのありかたっていうか、そういうことであるようで、小回りのきくチームで、人間系のコミュニケーションを活かしながらやってく、みたいなことであるようだ − ってぐらいにさしあたり理解しておいて、そういうチームでプロジェクトを進行していくためのチームビルディングやコミュニケーションづくり、ファシリテーションのやりかたが書いてあるのがこの本、ということで。
そうすると、明確な目的性を持ったプロジェクトの作業チームを運営していくためのファシリテーション技法書、ということで、シンプルかつ「無駄な遊び」がなくて、これはこれで使えそうなのだ。
いわゆる「ワークショップ」系のファシリテーション本がかなりゆるい感じのグループを想定・設定しているのに対して、いかにもIT業界でエンジニアたちがやるようなかんじ。
まぁ、掲載されているアクティビティそのものにさほどのちがいがあるわけではないのだけれど。ノリの違いというのはかなり重要なので。