通勤電車で読み流す『共同性の現代哲学』。

共同性の現代哲学―心から社会へ (双書エニグマ)

共同性の現代哲学―心から社会へ (双書エニグマ)

この著者の人の本(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20151123#p1)を同僚の先生とちょっと読もうみたいな話になり、このところサールとかなんとかの関連文献など見ていた。で、どうも、この著者の人はこの本でも、言語行為論を拡張してそこから社会の存立を論じる、みたいな順序になっているのだけれど、自分的にはどうもその順序からしてじつはぴんときてないところがある。それは毎度言うように、やりたいことがちがうからなのであって、サールの紹介とか読んでてもあちこちで、「これは会話分析とは違うよ」という念押しがされている。で、違うんだからそれはそれでいいとして、じゃあそっちの立場に乗っかったとしたら会話分析とは違う何が見えてきてどう面白いのか、というのがわかればいいと思っている。まぁ、なんか、この本でも別の本でも、この著者の人は、集団的な現象を論じるときに「信念の共有」みたいな言い方をしはるんで(「日本人は千円紙幣が貨幣だと思っている」とかなんとか)、けっこうひっかかりたくはなるのだけれど。