CO2測定の機械を買ってみた。こういうのは嫌いではない。換気のぐあいをみるため。

対面授業がはじまっている。勤務校ではあれこれ対策をしていて、素人目には、ルールに従ってさえいれば安全、という気がする。人数の多い(50人以上)授業をオンラインにしたうえで、教室配当の大幅な組み換えを突貫作業でおこない(ありがとうございます)、およそ受講生数が教室定員の3割以下のラインになるようにして、やってる。自分は諸般の事情でもって秋学期は演習・実習科目だけなので、卒論ゼミとか、例年個人研究室でおでこをぶつけるようにしてやってるのを、すっかすかの教室でひろびろやってる。
で、換気である。廊下側のドアと窓とを開けて換気をすべし、ということに決まっていて、秋学期の初めは爽やかでよかったのだが、寒くなってきて学生さんたちがそれで逆に風邪を引きそうになっても困る。コロナ対策は、必要十分に安全を確保しつつ、過剰にならないことも重要。無意味に過剰にやるのもまた非科学的で不都合が出る。
なので、CO2測定の機械を買ってみた。こういうのは嫌いではない。
電源を入れると、画面にいろいろな空気内の物質の濃度がずらずら表示されて、チラチラ動いたりする。
ホルムアルデヒドとかPMなんとかとかに並んでCO2濃度も表示される。色々数字が出てもそれ自体の意味はいまいちわからない。まぁ、コロナ対策だけでいえば、屋内でCO2濃度が相対的に高い=換気ができてない、ということだけ読み取れれば最低限の用は足りる気はするけれど、いちおう絶対値的な基準も知っておきたいところではあるね。
数年前に「地球温暖化」の文脈で書かれたらしいここの記事↓をみると、
www.tokyo-co2down.jp

CO2は空気の中で1%以下しか存在しないのに、産業革命以前、およそ280ppmだったものがここ100年あまりで増え続け、地球温暖化の最大の原因であることが確実なことから観測結果には全世界が注目しています。 ※CO2濃度はppm( Parts per Million:100万分の1)で表す
もっと身近な室内のCO2濃度としてオフィスについて。延床面積3,000㎡以上の建物では、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称:ビル衛生管理法)により室内のCO2濃度を1,000ppm以下で維持管理するよう規定されているため、ビルの管理会社等で定期的に濃度測定して調整を行っています。
労働安全衛生法の事務所衛生基準規則では、CO2濃度は5,000ppm以下と規定されていますが、空気調和設備により調整が可能な場合には1,000ppm以下と書かれています。
ちなみに学校の場合は、学校環境衛生基準に「換気の基準としてCO2は1,500ppm 以下であることが望ましい。」と書かれています。
ということで、外気はおおよそ400ppm、室内はおおよそ1,000ppmがCO2濃度の目安ということになります。

とのこと。
ただし、これは数年前の、コロナ対策以前の記事なので、そのとおりに今やると、つまり換気不足ということになる。
つまり、例年の「外気はおおよそ400ppm、室内はおおよそ1,000ppmがCO2濃度の目安」でいえば、今はたぶん、屋内でも換気をよくすることで「外気はおおよそ400ppm」の側に近い方に目安を置くべし、なのか。
ちなみに、いま、下宿の室内(ちょうどまる一日ぐらい閉めきってるはず)で690ppmぐらい。自分しかいないのでコロナ的には換気の必要なしだが、まぁこれもひとつの目安として。

ちなみに、じつはほぼ同様の空気モニタはすでに一台持ってるのだった。これも勤務校のはなしだが、実習室が地下なので空気が悪いかもと思い、測ってみようと購入。

これも似たような測定項目だったのだけれど、今回みてみたらCO2がなかったのだった。なんとまあ。
ちなみに、実習室の空気は特に悪くないように見えた。まぁ、安心したかな。拍子抜けと言うか。

このさいなので基準値について。ただし、屋内の空気の基準のはなしと、大気汚染みたいな屋外の大気の基準のはなしがあるのだな。そのへんは注意。
HCHO(ホルムアルデヒド

www.iny.jp
厚生省(当時)の「快適で健康的な住宅に関する検討会議 住宅関連基準策定部会 化学物質小委員会」は平成9年6月ホルムアルデヒドの室内濃度指針値(100μg/m3、0.08ppm)を提案し、同「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」は平成12年6月トルエン(260μg/m3、0.07ppm)キシレン(870μg/m3、 0.20ppm)パラジクロロベンゼン(240μg/m3、0.04ppm)、平成12年12月エチルベンゼン(3800μg/m3、0.88ppm)スチレン(220μg/m3、0.05ppm)クロルピリホス(1μg/m3、0.07ppb但し、小児の場合は、0.1μg/m3、0.007ppb)フタル酸ジ-n-ブチル(220μg/m3、0.02ppm)の室内濃度指針値、及びホルムアルデヒド・揮発性有機化合物の採取方法と測定方法などを策定し、公表した。

 
TVOC(総揮発性有機化合物)

www.figaro.co.jp
VOCと指針値
VOC(揮発性有機化合物)を吸入し続けると、その程度によっては人体に悪影響(健康被害)を及ぼすことがあります。この健康被害の代表例として有名な『シックハウス症候群』の原因物質も、建材や家具、日用品などから揮発されたVOCとされています。厚生労働省では、2002年に13種類のVOCについて室内における濃度指針値を定めて、ガイドラインを策定しています。この指針値は、『人間がその示された濃度の空気を吸い続けても健康に影響を及ぼさないであろうと判断される値』とされており、室内環境汚染の基準として利用されています。
TVOCとは
厚生労働省が濃度の指針値として定めたVOCは13物質だけですが、それ以外のVOCも健康に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、VOCは非常に数多くあり、これらすべてについて指針値を定めることは現実的に不可能です。そこで、13物質以外の物質も含めたVOCの個々の濃度の合計を総揮発性有機化合物(TVOC)として規制されるようになりました。TVOCの暫定目標値は400μg/m3とされています。

 
PM2.5

www.env.go.jp
環境基本法第16条第1項に基づく人の健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準として以下のとおり環境基準を定めています。
1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下
(平成21年9月設定)

 
PM10

ja.wikipedia.org
PM10
大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子径が概ね10µm以下のもの。粒子径10µmで50%の捕集効率をもつ分粒装置を透過する微粒子。1987年にアメリカで初めて環境基準が設定され、以降世界の多くの地域で採用されて、大気汚染の指標として広く用いられている。日本では、PM10は環境基準に採用されておらず、代わりに浮遊粒子状物質が採用されている。
浮遊粒子状物質
浮遊粒子状物質 (SPM)。大気中に浮遊する微粒子のうち、粒子径が10µm以下のもの。日本の環境基本法に基づく環境省告示の環境基準において「大気中に浮遊する粒子状物質であって、その粒径が10マイクロメートル以下のもの」と定義されているが、PM10とは異なる。粒子径10µmで100%の捕集効率をもつ分粒装置を透過する微粒子。PM6.5 - 7.0に相当し、PM10よりも少し小さな微粒子である。大気汚染の指標として日本だけで用いられる。1972年に初めて環境基準が設定されている。
・・・
日本の環境基準
SPM 1時間値の1日平均値0.10mg/m³(100µg/m³相当)以下、かつ1時間値が0.20mg/m³(200µg/m³相当)以下であること(1973年5月8日告示・現行1996年改正版「大気の汚染に係る環境基準について」[16])。
PM2.5 1年平均値が15µg/m³以下、かつ1日平均値が35µg/m³以下であること(2009年9月9日告示・現行「微小粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準について」[76])。
 
基準を上回る状態が継続すると予想されるときは、大気汚染注意報を発表して排出規制や市民への呼びかけを行うことが大気汚染防止法で規定されている。また、自動車NOx・PM法でも三大都市圏の中心地域において一部の自動車に排ガス規制措置が執られている(自動車排出ガス規制)。


11/13
買ったこのモニタ、6000えんぐらいのやつだったのだけれど、何種類かあるなかで中くらいのものかと思ってたんだけど、CO2だけ測って2万円ぐらいのやつがやはり正確であるようで、CO2専門のやつといろいろなガスが測れるやつ、あるいは高いのと安いのとではセンサーの方式が違うらしい。まぁ、癖をわかってさえいれば、使えるみたいではある。



11/14
CO2専門のやつも注文してみた。届いたら比べてみるべしである。比較してみれば、モニターごとの数値の出てきかたの感触がわかるだろう。正確な機器と不正確な機器があるというよりは、それぞれの使い方やクセを把握しとくことで、それぞれの機器をうまく使えるよ、という。
えーとたとえば、
今のやつは、CO2専門のやつではなくて、ということは、TVOCのセンサの値を使ってCO2の数値を出している?とかなんとかのよう。そこで、CO2ではない気体の影響を受けて誤数値が出る、みたいなことがあるらしい。で、たとえばアルコールの影響を受けるよ、と。ふむ。心当たりがあるのは、今、大学の建物のエントランス付近で突然数値が上がることがあって、なんだなんだ?と思ってたのが、ひょっとしたらエントランスで手をアルコール消毒してその手で機器を持ってたからかもしれんっていうかそれな気がしてきた。
ちなみにいま、窓全開の下宿の部屋で測ってるけど、さっきけっこう高い値が出た。で、TVOCの値がこれまたすごく高かったのだけれど、心当たり的には、洗濯をして部屋干しをしてた真ん前で測定してたということ。洗剤とか柔軟剤の香りに反応してTVOC(揮発性有機化合物)の値が高くなってそこから算出されたCO2の値も高くなった、的な。ちなみに別の部屋に持って行って測ったら値は下がったし、いまは洗濯物が乾いたせいか、数値もけっこう下がったかんじ。
とかなんとか。

11/22
注文してたのが届きました。
k-i-t.hatenablog.com
ぐあいよさそう。